北陸での漁法についてまとめてみました(5) ~定置網漁法~

標題の「北陸での漁法についてまとめてみました」シリーズ、

第1回目 底びき網漁
https://izakayaouentai.co.jp/blog/news/655/

第2回目 刺し網漁
https://izakayaouentai.co.jp/blog/news/663/

第3回目 まき網漁
https://izakayaouentai.co.jp/blog/news/668/

第4回目 延縄漁
https://izakayaouentai.co.jp/blog/news/673/

に引き続き、第5回目の今回は「定置網漁」です。

定置網漁と言えば真っ先に思いつくのが漁港の眼前で水揚げされる

「定置網ものの氷見ぶり」

20121226 (40) ですよね~。

どんな場所に網を設置しているのかと言うとこんな感じです。
スライド1 スライド2
上の写真は氷見漁港近郊の定置網のものですが、岸のテトラポットとの距離をみても如何に陸から近いか、よく判ります。
※赤い丸で囲っている部分が定置網です。

なんでこんなに近くに網が張れるの?
って最初のうちは不思議だったんですが、地元の方に聞くと富山湾は浜辺が少なく、陸からちょっとのところですぐに深くなるんだそうです。

立山連峰が高いのにも関係しているのか、富山湾はもの凄く深い海溝になっているみたいです。

20130328 (3)
※滑川ホタルイカミュージアムで展示されていた模型です。

toyama_wan 海上保安庁HPより
これを見るといきなり「ズボッ」と深くなっているのがよく判りますよね。

確かに同じ富山湾内の魚津でも海岸の目と鼻の先に定置網があります。
プレゼンテーション1

なるほど!富山湾が「天然のいけす」と言われるのはこういう事なんですね。

さて少し話がそれましたが、定置網漁法について海洋漁業科学館さんで頂いた資料にはこんな記述があります。

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定置網は沿岸の魚の通り道にあみを設置し、回遊してくる魚やイカを待ち受けて漁獲する漁法です。海底の凸凹が激しい場所・海水の濁りが起こりやすい場所・水深が急に深くなる場所、岸に森が茂った場所などには魚の通り道ができやすく魚道と呼ばれています。定置網は漁業者が長い経験から見つけた魚道の上に設置されています。網に入った魚は生きたまま漁獲されるので活きのいい旬のものが獲れますが、網は決まった場所に設置されていますので、沿岸の汚染や資源の盛衰を正直に反映します。
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ビジュアルで見るのが一番理解しやすいので、いつもの(独)水産総合研究センターさんのイラストを本日も拝借します(いつもありがとうございます!)。
teiti

以前訪問した滑川のホタルイカミュージアムにも模型がありました。
IMG_0419 ブリの定置網模型

IMG_0420 こちらはホタルイカの定置網

説明文にもあったように定置網だと水揚げするまで魚が活きているので、鮮度は抜群ということになります。

ただ、生きているとは言え、定置網の中で数日間泳がせていると運動量が減って痩せてくるので、定置網ものだからと言ってすべてが美味しい訳ではありません(鮮度は良いですが)。やはり買付の時にはしっかり商品を見定めることが大切になりますね。