自粛・休業要請下で生き残るために居酒屋さんが今できること。~売上減を最小限に止めてアフターコロナに備えるために~


新型コロナウイルス感染症による自粛・休業要請を乗り切るために「今できること」を記事にしましたが、記事を書いた当初から状況も変わってきたので最新版をまとめました。
【目次】
※本編はブログ「新型コロナウイルス不況のダメージを最小限に食い止めるために居酒屋さんができること」の続編です。併せて前編もご覧ください。

  1. まずは安心できる店であることをアピール!
  2. 出前/テイクアウトを検討しましょう!
  3. お客様とのコミュニケーションもしっかりと!
  4. みらい優待券やクラウドファンディングも検討!

まずは安心できる店であることをアピール!

コロナウイルス対策アルコール消毒
 感染拡大前ならばそれほど気にしなかった人も、連日の報道による影響でほとんどの人がうがい・手洗い、マスク着用、アルコール消毒、そして密集する場所は避ける、などを意識して生活するようになりました。恐らくこの意識はコロナ騒動がひと段落しても人々の心の中にしっかりと根付いていくことでしょう。

 これからは「安いお店」「便利な立地のお店」「〇〇が美味しいお店」よりもまず消費者は「安心して飲食ができるお店」を最優先条件としてお店を選ぶようになることでしょうから、ここは絶対にアピールしたいところですね。「感染防止対策なんてそんなこと当たり前だろ」と仰るプロ意識の高い店長さんも多いのですが、目に見えないものはしっかりと表現しないと周りには理解してもらえません。しっかりと対策をしているならなおさら「見える化」して伝えるべきことは伝えましょう。

感染対策に意識の高い店であることを見せる

 例えばこんなPOPなどを店外に貼ってみてはいかがでしょうか?ポイントは「店外にも貼る」ということです。先程も述べましたが、せっかく感染対策に力を入れていてもそれがお客様に伝わらなければ評価してもらうこともできません。
コロナウイルス対策アルコール消毒
この程度のものであればインターネットを探せば無料で使えるものがありますし、政府が作成してくれたものを店内に貼るだけでも良いかと思います。
コロナウイルス感染症対策
POPを作るのは難しいわ、ということでしたら、気をつけている対策を箇条書きにして書き出して掲示する、というだけでもしてみましょう。

「密」でないことのアピール

コロナ対策飲食店のできること

 ソーシャルディスタンスという言葉が定着しつつあるように、この数か月で人々は密集に入ることや必要以上に人と近づくことを敬遠するようになりました。意識的・無意識にかかわらず周囲と距離を取ることに神経質になってきています。そのために店内で座席間の間隔を空けたりと対策をされていることと思いますが、それが外部から見えないとなかなかお店には入りづらいもの。上のようなPOPを店前に掲示するのも良いですし、これからのシーズンであればドアや窓を開けて店内の様子がわかるようにしておくのも良いと思います。お店の構造やその他の理由で外部から店内の様子が判らない場合はモニターカメラを店内に設置し、その店内映像を入口にテレビモニターを置いてリアルタイムで店内の混雑状況がわかるようにするなどの工夫をしても良いかも。とにかく店内の様子がわかるようにする配慮は必要でしょう。

注文・支払方法にも配慮しましょう


 マスク・ゴム手袋の着用は当然として、お客様の視点で考えた時に結構気になるのが支払い時。ボタンやタブレット端末にウイルスが付着していて院内感染したというニュースがありましたが、そうした事も大々的に報じられていますから、食券販売機や注文用のタブレット端末を触ることに抵抗のある人も結構いるようです。それらの機材の近くにアルコールスプレーやウェットティッシュなどを置いておくだけでも安心感があります。また、私自身も買い物時にレジに並んでいるとPayPayなどのQRコード決済やクレジットカードなど、キャッシュレス決済を利用する人が増えている印象を受けます。現金を触ること自体に抵抗がある人も多くなっているようですのでキャッシュレス決済の導入もまだのところは急いだほうが良いかもしれません。

出前/テイクアウトを検討しましょう!


 通常営業がなかなかできない、営業を強行してもほとんどお客様が来ない、状況では当然売上はガタ落ちになりますから、少しでもその落ち込みを補うべく、出前やテイクアウトを始めているお店もたくさんあります。これらを先行して始められたお店からお聞きしたことやこちらで調べてみたことをまとめてみました。

出前・デリバリー

 出前・デリバリーのメリットは「立地に左右されない」という点。人通りの多い一等地でなくとも貴店の料理をお届けして売上を得られます。デメリットはコストと時間(自分で配達する場合)がかかること。この両面をしっかりと検討してから始めましょう。

 デリバリーを始めるならUBER EATS(ウーバーイーツ)という配達サービスの利用を検討しましょうと前記事で書きましたが、今は登録までに6ヶ月待ちといった状況のようですので、実際には新規で始めるのは難しいです。地域によっては飲食店支援の取組の一環でタクシー会社がデリバリーを引き受けてくれたりするところもあるようですが、ほとんどの地域では「自前で配達する」以外の選択肢はない状況のようです。ただ、配達には時間とコストがかかりますので、1時間で数個の弁当を個人宅にパラパラと配達してもそれだけでは割が合わない場合も多いと思われます。そういう場合はコロナ後の新規顧客開拓だと思って、個人宅ではなく近隣のオフィスなどに絞って営業をかけてみるのも良いかもしれませんね。

テイクアウト


 デリバリーとは逆に余分なコストや時間が掛かりませんので比較的簡単に始められるのがこのテイクアウト。ただし、地理的な制限が出てきますので人通りの多いところにあるお店や顧客名簿をしっかりと持っているお店が有利です。もし立地的に少し不利であったり、オープン間もないので顧客名簿もない、という状況でしたら地域の飲食店支援で行われている「テイクアウトドライブスルー」などに参加するのも良いかもしれませんね。また各地の自治体などでは「#エール飯」というハッシュタグの下でテイクアウトやデリバリーに取り組むお店を応援する動きなどもあります。詳しくは「#エール飯」発祥の地・大分県別府市の「別府エール飯」サイトなどでご確認ください。

限定酒販免許を申請しましょう!


 お酒の販売は飲食店が店内で提供するには問題ないのですが、実は店外で販売するにはいろいろと酒税法上の制約があります。ただ、今は飲食店支援のために「期限付酒類小売業免許」というものがありますので、これも申請しておきましょう(詳しくはコチラ)。これにより、テイクアウトやデリバリーでも日頃扱っているお酒の販売が可能になります。居酒屋さんなら普通はなかなか手に入らないお酒の取り扱いもあるでしょうから、単価アップや差別化にもつながりますよ。

表示ラベルについて最低限知っておきたい事

食品表示ラベル
 飲食店内で料理を提供する場合には必要ないのですが、一般的に小売となると食品衛生法により原材料などを表示したラベルの貼付が求められています。基本的には一般消費者への販売ではこれが必要で、それなりの投資(専用のラベルやプリンターなど)が必要となるのですが、急にテイクアウトを始めたお店でそこまでの準備はできないと思われるため、何か特別な措置があるのか、金沢市保健所に聞いてみました。

 結論から書きますと、店頭で対面販売する限りは表示ラベルは不要だそうです。ただし、「陳列してお客様がピックアップして買っていくものには必要」だと。よくわからない説明ですが(汗)、「対面で販売してたらお客様が原材料とかアレルギー物質の有無とか聞けるから不要。でも、陳列してあるものは直接調理した人に聞けないから✕」ということらしいです。簡単に言えば、作った人に内容を聞ける状況で販売するならラベル不要(店内飲食にラベルが不要なのもこの論理)で、人の手を介して販売する(陳列販売含む)なら表示ラベルは付けてね、ということです。ちなみに表示は必ずしもラベルでなくとも構わないそうで、印刷したものを簡易的に商品にテープで貼り付けてもオッケーだそうですよ。

詳しくはこちらをご参照ください↓
早わかり食品表示ガイド(消費者庁作成)

本気で売るならマーケティングは必須!


 店内でお客様に飲食を提供することが難しいので他の方法で!という選択は決して間違いではないと思いますが、その分野(テイクアウトやデリバリー)を専門にしているお店もあるという事を忘れてはいけません。もともとその業界で頑張っていたお店からすると貴店は新規参入の競合ですから、先方とてシェアを奪われるまいと必死にいろんな策を講じてくることでしょう。それでも頑張って売上を確保していかないといけませんから、新規事業を始めたという感覚でマーケティング(市場調査や宣伝など)にも力を入れていく必要があります。

ほんの一例ですが、
・商圏に折込チラシやクーポンを配布する。
・SNSやホームページで大々的に宣伝する。
くらいは最低限やっていかなくてはならないのではないかと思います。

 もちろん最初は貴店を応援したいという気持ちでわざわざ出向いてテイクアウトしてくださるお客様もいるでしょうが、それを毎日期待するわけにもいきません。また、最初の数日だけであれば採算度外視のメニューも作れるでしょうが、これが継続となると利益の出るメニューに磨き込んでいかないといけません。でも、お店のブランドイメージもあるのでどれくらい売れるか分らなくてもあまり「安かろう悪かろう」なものを提供するわけにもいきません。しかも近隣のランチ市場の相場と比べて差別化をしつつお値打ち感も出していかなくてはならない・・・。今まで皆さんが居酒屋さんでされていたことと同じことが必要になるということですね。

お客様とのコミュニケーションもしっかりと!

残念ながら人間は忘れやすい生き物です。しばらく会わずに疎遠になっているとなかなか思い出してもらえなくなります。大変失礼な表現になり恐縮ですがお客様は簡単に貴店のことを忘れます。ご経験がおありだと思いますが、毎日のように通って下さっていた常連様でさえ何かのキッカケでしばらく間が空くと来店されなくなったり、近くの競合店の常連客になっていたりというケースもあります。ましてや事情はどうあれ、今はお店を休業しているわけで、その間も貴店を忘れられないようにするためにお客様とコミュニケーションを取ることは大変重要となります。すぐの売上にはつながらないかもしれませんが、お店を再開した時に少しでも早く売上を戻すためにもこまめにお客様とコミュニケーションをとるようにしましょう。

【忘れられないために得意先様が実践されていること】

  • 個人的に交換したLINE連絡先を使って「居酒屋○○○常連様会」などと銘打ったライングループを作る
  • お客様名簿を使ってお店の近況を紹介したお葉書を出す
  • 知っているお客様に電話してみる
  • お店のSNSを新設するor今まで放置していたものを頑張ってみる
  • Googleマイビジネスに投稿して頂けるお願いをお客様にしてみる

などなど・・・。

内容は極端な話、何でも構いません。テイクアウトのご案内でも良し、お店の近況や店長さんのちょっとプライベートな話でも良し。要は忘れられないためにボールを投げ続けることが大事です。居酒屋応援隊だってチョロチョロ、チョロチョロ、とメルマガやLINEでのご案内、ファックスレターや郵送DMなどをお届けしているでしょ?もちろんしっかりと読んで頂ければ嬉しさ満開なのですが、もしそのままゴミ箱に捨てられたとしても「居酒屋応援隊」という名前は少し目に留まりますよね。それだけでも十分に「忘れられない」という目的を達成しているわけです。

そして営業再開の折には常連様やご近所に営業再開のお知らせやチラシを配布するようにしてみてください。

お客様は貴店のことを四六時中気にかけているわけではないので、

え~、もう再開してたの?
なら、先週の得意先との会食ここでやったのに~!

なんて事にならないように、是非。

先払い応援チケットやクラウドファンディングも検討!

 いろいろと厳しい状況下にある飲食業界ですが、今回はマスコミも大々的に飲食店の苦境を報道していますので、「飲食店を支援しよう!」という動きもありがたいことに活発にあります。居酒屋応援隊とお取引き頂くお店のオーナー様は責任感や自立心が強い方も多いので人様の支援を受けることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の状況は過去に例をみない厳しい環境ですから、助けて頂けるものはありがたくお願いするのもひとつかと。また経営が正常化した時に支援して頂いた方々に恩返しをすれば良いだけの話です。

先払い応援チケットを買って頂く

 お店を維持するためにはまずキャッシュ(現金)の確保が大切。金融機関からの借入政府からの支援については別途ご紹介していますが、それ以外にも先払い応援チケットという手段もあります。

 これは営業再開してから使って頂けるチケットを先に購入して頂くというもの。自前でチケットを作成して常連様に現金で購入して頂くというスタイルでもできますが、もっとお客様が手軽に協力して頂けるようにすることもできます。例えばスクエアという会社のeギフトカードなら、お客様にクレジットカードで支払って頂くこともでき、しかも入金は最短で翌日からオッケーです。

「みらい優待券」をあなたのお店に(Square)
https://squareup.com/jp/ja/l/e-giftcard

クラウドファンディングを検討してみる

 最近様々な分野で盛り上がりを見せているクラウドファンディングでも昨今の飲食店の窮地を救おうというプロジェクトがあります。大きなところでは

  • 商工会議所などが支援する「地域飲食店応援クラウドファンディングプログラム みらい飯」
  • https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000031325.html

  • クラウドファンディングの有名どころ・CAMPFIREの「新型コロナウイルスサポートプログラム」

https://camp-fire.jp/channels/covid-19-support

などがあります。ご興味あれば一度検討してみてはいかがでしょうか。


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