北陸での漁法についてまとめてみました(1) ~底曳網漁法~
あっという間に7月も第2週目になりましたが、7月・8月は石川県・福井県では底びき漁の禁漁期間になります。
つまり、7・8月はカレイなどのいわゆる「底もの」と言われる魚の地物入荷がなくなります。
※例えばこんなやつです。
そんな話をお客様としていたら、
「ところで底びきとか刺し網とかいろんな漁法があるみたいだけど、何が違うの?」
というお話になりました。
でもよくよく考えてみると漁法についてまとめて勉強したことなかったなぁ~と気付きましたので、今回から少しの間漁法についてまとめてみようと思います。
実は以前に能登半島の宇出津というところにある「海洋漁業科学館」
←漁船が展示してあったり
を訪問した時に館員さんに頂いた資料もありますので、その資料をベースに調べていきますね。
・・・で、今回はまずキッカケとなった「底びき漁」から。
■石川県の底びき漁は「かけまわし」漁法。
調べましたところ、「底びき」にもいろいろあるようで分類も資料によって違ったりはしているのですが、石川県(恐らく福井県も)の「底びき漁」は「かけまわし漁法」というやつだそうです。
海洋漁業科学館の資料によりますと…
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操業方法は、最初に(1)樽を投下、曳網、(2)チェーン、曳網、(3)網、曳網、(4)チェーン、曳網の順で繰り出しながらひし形に船を走らせ、元の位置に戻って樽を回収して曳網にかかる。曳網方向からひし形の対極に綱、両側にチェーン部が位置し、両側のチェーン部がいっぱいに開いた状態で曳網にかかり、チェーン部が引き寄せられて綱が平行になったところで曳網を終了し網を揚げる。(中略)石川県沖では海深800メートルくらいまで操業が行われる。
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う~ん、よく判ったようなわからんような・・・。
他も調べてみたところ、(独)水産総合研究センターさんのサイトにイラストがありました!
かなり大雑把に言いますと、この網を海底まで落として海底に住んでいる魚介類を掬い上げるということになるんでしょう。
ちなみにこの「かけまわし漁法」と「トロール漁法」は違うみたいです。似たような漁法のようなのですが、トロールの方がガバッと漁獲できるみたいで圧倒的に効率的なようですが、根こそぎ水揚げしてしまう可能性があるため、石川県ではかけまわしにしているようです。
石川県と底びき網漁の関係についてはこんな記述も
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底曳網漁は石川県の代表的な漁業である。総トン数50トンを最高に大小200余りの船が7・8月の休漁期間を除いて操業する。加賀平野から能登半島の沖合海域は平坦な海底地形が発達して底曳網漁に適した漁場である。加賀平野に面した橋立港、金沢港、能登半島沖に面した輪島港、蛸島港は主要な根拠地であり、時化の時など底曳網漁船が港狭しともやいをつなぐ様は壮観である。
底曳網漁業はまた、四季折々の海産物を漁獲する花形で、冬のズワイガニ、春先のホタルイカ、春・秋のカレイ類、イカ類、四季を通じたホッコクアカエビ(いわゆる甘エビ)、ニギスと石川県民の食卓を賑わすのに事欠かない。休漁期間明けやズワイガニの解禁日には港は一層の賑わいを停止、時の風物詩である。
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なるほど!北陸の代表的な魚介類もこの漁法で獲れているんですね。他の地域以上に「底びきの禁漁期間が・・・」とかいう話を卸売市場で聞く機会が多いのも納得です。それだけ北陸にとっては馴染みの深い漁法なんですね。
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