富山湾の白い宝石「しろえび」の漁獲高変化についてまとめてみました。

この春先から新商品としてデビューさせて頂きました富山湾の白い宝石しろえび【スマホの方はコチラ

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富山県の県の海産物として指定されていることもあり、その人気は年々うなぎ上りです。でも、昔は駿河湾のサクラエビの代用として赤く着色されて出荷されたり、煮出し用の雑魚や煮干しと言う扱いだったみたいですね。シロエビって小さいエビなのでそのまま剥くのは非常に手間が掛かるのですが、実は一度凍結してから剥くと簡単にツルっと剥けたりします。その冷凍技術が進歩したこともあって急に人気が出てきたようです。

シロエビ漁についての概略や資源管理についての説明については全漁連さんのホームページのなかで詳しい記述を見つけましたのでご興味おありの方はどうぞ。ちょっと学術的な文章でとっつきにくいですが…(笑)。

さてそのシロエビ、価格が高騰しています。漁期は基本的に4月から11月なのですが、4月に買い付けたロットが終わってしまいました。幸い最近買い付けたロットがまだ残っていますので、そちらをお出しすることはできるのですが約20%程価格が上がっています…。漁港に聞くとそれでもなかなか相場が下がっておらずに苦戦しているとの事です。価格が上がったのは本当に心苦しいのですが、それでもまだ在庫があるだけマシなのかなぁ~とさえ思ってしまいます。

でも、漁港に行くとそれなりにシロエビも見かける訳で、
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↑こんな感じでザルで並んでいると入荷が少なくなったなんて感じませんよね・・・。

そんなに切迫している感じもないんやけどなぁ~と疑問にも思ったので調べてみました。

長期間にわたってのシロエビ漁獲高推移が判り易かったのは↓このグラフ。富山県庁のサイトからお借りしました。
しろえび漁獲推移

昭和60年頃からの5年間くらいが水揚げ量激減していますが、何か理由があったんですかね~。ただ、このグラフを見る限り概ね水揚げ量も増えてきている感じがします。

ところが、です。

別の資料によると(同じ富山県農林水産総合技術センター水産研究所 海洋資源課)、平成19年までは600トン以上の水揚げがあったシロエビが

平成20年 554トン
平成21年 515トン
平成22年 593トン

と600トンを割り込んでいるみたいです。更に調べてみると、ここ3年では

平成24年 453トン
平成25年 462トン
平成26年 451トン

と更に500トンを割り込んでいる状況・・・。やはり水揚げ量が減っているのは間違いなさそうです。

別の角度からの分析も独自にしてみました。
ここ3年間の水揚げ量を月別に集計してみると下のグラフの通り。
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全体的に水揚げが減っているのは既述のとおりですが、過去10年間と比べても解禁と同時にドーンと水揚げし、その後がかなり減っているという結果に。ちなみに11月が過去10年間を上回っているのはあまりにも水揚げが少なく需要が多かったことから通年なら徐々に手じまいするところを最後まで水揚げしたからということのようです。漁解禁の4月はシロエビもまだ小さいのてすが、その時にガバッと獲りすぎてしまうためにその後大きくなる時期のシロエビが少なくなってしまい、当然産卵期には少ない個体数となりその分が翌年に悪影響を及ぼす、ということもあるのでしょうか。とすれば、数年間の時期限定でも漁期をもう少し短縮して5月とか6月からという風にするのも検討しないといけないのかもしれませんね。漁師さんにしても売り上げは重量に応じるので(個体の大きさではない)、そんなに問題はないと思うのですが…。

市場関係者の間では、キリンビールの「選ぼう!ニッポンのうまい」キャンペーンCMで取り上げられてから一気にシロエビがブレークしたとの話があるのですが(著作権の関係か、シロエビの回は調べても出てきませんでした…)、このTVCMが始まったのが2005年(平成17年)頃のようで漁獲量だけ見ると直接的影響はなさそうなのですが、ひょっとするとこのブームで無理して獲りすぎてその後の漁獲高減少を招いているということもあるのかもしれませんね…。いずれにせよ、事態は決して楽観できるものでもなさそうです。

高くなっていて心苦しいのですが、そのシロエビもコンスタントにご注文を頂いており残り在庫も少なくなってまいりました。
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来年の4月まで禁漁となりますが、またそれまでに資源が回復してくれるのを願うばかりです。

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