イスラム教徒(ムスリム)向けサービス・食材提供のハラール管理者講習会に行ってきました。

以前のエントリーで最近は外国人観光客が増えてきており、
https://izakayaouentai.co.jp/blog/news/737/

中でもイスラム教徒が多い中東や東南アジア諸国(特にインドネシアやマレーシアなど)からの訪日観光客も増えており、また今後も増えていくことが予想されていることから狙い目ではないか、という内容を書かせて頂きました。
https://izakayaouentai.co.jp/blog/news/857/

私自身もここに大きなビジネスチャンスがあるのではないか、と感じましたので、先月末に大阪で開催されたセミナーに参加してきました。
ハラル管理者講習20131009_0000

他にもお伝えしたいテーマが色々あったのでご報告が遅くなりましてスミマセン。

■ハラール・ハラームとは?
まずは今回のテーマである「ハラル(ハラール)」ということについて。イスラム教の聖典「クルアーン(コーラン)」で色々と細かく決められているのですが、簡単に言えば世の中のものは

ハラール = (神により)許されたもの
ハラーム = (神により)許されないもの
シュブハ = 上述2つの間にある「疑わしいもの」

の3つに分類されます。ハラール、ハラームは明確なのですが、ハラール認証で厄介なのがシュブハ(疑わしいもの)で、要は「疑わしきものは遠ざける」ということなので、認証を取るためには積極的にハラールであることを証明することが必要になって来るそうです。つまり、「この原材料は特に(禁じられている)豚って書いていないから大丈夫でしょう」ではダメで、メーカーさんに依頼して「この商品に豚由来のものは一切入っていません」という証明書を発行してもらうことが必要という事です。これは結構大変だぁ~。

ハラールな食品の代表的なものでは野菜、果物、穀物、海鮮、乳製品、卵などがあり、肉も豚肉などの禁じられた動物以外は「ハラールに屠畜されていれば」食べても良いことになっているそうです。肉は屠畜の仕方にも取り決めがあるようです。更にこれらの食材も即OKな訳ではなく、卵や海産物でも養殖の魚などの場合はそのエサに禁じられたもの(例えば豚由来の飼料)、もしくは疑わしきものが入っている可能性がないか、をすべてチェックしてはじめてOKということになります。

その後もいろいろと興味深いお話をお聞きしたのですが、全てを書いていくとかなりのボリュームになってしまいますので、ご興味のおありの方は関連書籍を御覧ください。

■このハラールビジネスで商機はあるか?
以前にも書きましたが、イスラム教徒は中東だけでなく経済も伸びてきているインドネシアやマレーシアなどの東南アジア諸国にもたくさんおり、平均年齢も若く豊かになって来ていて消費意欲も旺盛であることから今後も注目すべきマーケットであることは間違いないと思います。ただ、実際に2日間の講習を受けて感じたのはかなり高いハードルがあるなぁ、ということです。

ハラル専用の調理器具、ハラル専用の厨房、ムスリム(イスラム教徒)の配置、そして最低限でもISO9000程度の品質管理基準が必要であり、とても片手間でできる内容ではなく、それなりの資本があるところでないと難しいのかな、という気が個人的には致しました。

ただ、一般の飲食店でハラル認証を取得するのは難しいとしても、例えばお寿司ならハラル用の食器と厨房機器を用意して、お醤油とワサビだけハラル食品にして提供する、という程度であればできるのではないかな、とは感じました。このように一部メニューでハラルに気を付けたものを取り揃え、イスラム教徒用にお祈りスペースを用意しておく、などちょっとした気遣いをしておけば、かなり喜ばれるみたいです。
Hijab-Indonesia_Anna_Martadiningrat_
もちろん、そのマーケットに向けた宣伝広告も少しは必要になると思いますが、イスラム圏の人って口コミの威力が絶大らしいので、一度気に入ると仲間にもどんどん教えてくれるそうですよ。これから7年後の東京オリンピックに向けて、更に外国人観光客も増えそうですから面白いかもしれませんね。