フグと言えば猛毒で知られており、その猛毒(テトロドトキシン)で麻痺症状が起こり、重症になると呼吸筋麻痺で呼吸困難になって死に至ることもある、というものです。一説にはその猛毒さは青酸カリの1000倍、サリンと同程度とも。

だからこそフグの調理には「ふぐ調理師免許」が必要になっており、それほど気を使って食べないといけないのがフグだという事は広く知られていますよね。

ところが、そのフグの卵巣(毒がある部分)をわざわざ食べるというとんでもない(?)食材が石川県にはあるんです!

それがこの「ふぐの子糠漬」です。
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■美川県一の街?
市町村統合により今は石川県白山市に統合されましたが、美川町という地域がこの「フグの子糠漬」の産地です。

今は撤収されてしまいましたが、以前は北陸道の脇に「美川県一の街」という黄色い看板(実は水槽塔らしいです)があるのを覚えていらっしゃる方も多いのでは?
https://fukuno.exblog.jp/8108310/から画像をお借りしてきました。
そう、あの美川町です。

■実は伝統の郷土料理
この美川町では古くからさばやいわしなどの糠漬けと一緒にフグも糠漬け(こんか漬けとも言います)の生産地として栄えてきたところです。
20121201 (12)←さばの糠漬け

フグといっても北陸ではトラフグよりもサバフグやゴマフグが多いので、通常はこれらを指すのですが、このサバフグやゴマフグ
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の身欠きを糠漬けにして「ふぐの身糠漬け」、その卵巣を「ふぐの子糠漬け」として製品化しているんです。

■手間と時間をかけてじっくり解毒
この「フグの子(卵巣)」の解毒は製造元により少し違うみたいですが、基本的には
1.塩漬けで約1年
2.糠床に漬けて約2年
と、なんと約3年もかかるんです!

当然漬け込みの樽なども専用のものを使わないといけないですし、やっぱり手間暇かかるんですね。

■毒性検査も全品しています。
ただ、商品として流通させるにはやはり不安があってはいけない、ということでこの商品は全品毒性検査をしています。この検査に合格したものだけが出荷されているため、商品には必ず検査合格証が貼付されています。
20120912まで (199) ←解毒検査の証明書(左の丸いシール)

■解毒されているので、流通にふぐ免許は不要です。
数年前までは例えば東京都内では「ふぐ」という扱いをされていたため築地市場での流通ができなかったようなのですが、最近になってそれも緩和されてきたようで、都内のお店でもメニューに入れて頂けるところが増えて参りました。弊社もふぐ免許を持っていないので、念のため金沢市保健所に確認致しましたが、毒性検査もしてあり商品化されているので流通業者にフグ免許は不要とのことでした。

お店でお客様にお出しするのにも免許不要ですよね?

との質問には基本的には要らないと思うとの回答を頂いたのですが、
「ふぐ免許は各都道府県の管轄なので、そのお店のある保健所に念のため確認してもらってください」とのことでした。

次回はこの「フグの子糠漬け」についての食べ方や評価についてご紹介しますね。引き続き次の記事をチェックしてください。

猛毒で知られるふぐの卵巣を食べる!(2) ~石川県の郷土料理「ふぐの子糠漬け」の食べ方~