北陸で水揚げされる魚

 

春の魚

【いわし(ニシン目イワシ科)】

大衆魚として親しまれているイワシの仲間には、マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシなどがいますが、通常イワシと呼ぶ場合にはマイワシのことです。 マイワシは背と腹の境目に1列もしくは2列に7つほどの黒い斑点があり、カタクチイワシは片口という名のとおり上アゴが下アゴよりも相当長くなっています。 ウルメイワシもその名のとおり、目が潤んだように見え、背びれが腹びれより前にある点が特徴です。ウルメイワシ、マイワシ、カタクチイワシの順に小さくなります。

 

【サヨリ(ダツ目サヨリ科)】

ツンと突き出したアゴがトレードマークのサヨリは、細魚、針魚、鈴魚などの呼び名があります。日本各地の沿岸で見られ、春から夏にかけて岸辺の海草などに卵を産みつけます。美しい白い外見に似ずハラワタは真っ黒でハラグロという俗称をもっています。身は低脂肪、高タンパク質で健康食品の代表です。

 

【ハチメ(カジカ目カサゴ科)】

ヤナギバチメ、茶バチメ、黒ハチメ(メバル)など、種類の豊富なハチメの仲間は日常の食卓にのぼることの多い、おなじみのお魚です。 煮物や焼き物が多いですが、刺身にしてポン酢醤油にトウガラシをかけて食べるのは旬ならではの美味しさです。

 

【タコ(八腕目マダコ科)】

タコにはイイダコのような小型のものから大型のミズダコまで、たくさんの種類があります。一般的には、タコツボにエサをつるし生けどりにしますが、イイダコは縄に二枚貝をつるしておき、貝の間に入ったものをとります。イイダコの卵は貝殻の中などでタコがじっとしている時に成長します。そのため活動中に底引き網でとれたイイダコにはあまり卵がありません。

 

【タコ(八腕目マダコ科)】

タコにはイイダコのような小型のものから大型のミズダコまで、たくさんの種類があります。一般的には、タコツボにエサをつるし生けどりにしますが、イイダコは縄に二枚貝をつるしておき、貝の間に入ったものをとります。イイダコの卵は貝殻の中などでタコがじっとしている時に成長します。そのため活動中に底引き網でとれたイイダコにはあまり卵がありません。

 

夏の魚

「アジは味に通ず」と言われるように、味の良さにおいては魚の中でも絶品です。通常アジと呼ぶ場合にはマアジを指します。脂も多く高カロリーであるわりに風味はさっぱりとしています。開き干しや丸干しなどはカルシウム、ミネラルの宝庫です。マアジは北海道から東シナ海まで広い範囲に分布していますが、沖合を回遊する「クロアジ」と沿岸に定着している「地つきアジ」に分けられます。

 

【キス(スズキ目スズキ亜目キス科)】

「キスは、透明感ある淡い黄褐色の身を持つ魚で一般的にはシロギスを指します。魚体の大きさは最大で30cm位ですが、最近は15~20cm位のものがよく出回っています。初夏になると産卵のために砂泥地に群れをなして移動し、外的に食べられないように数回に分けて浮遊性の卵を産みます。トビウオほどではありませんが、キスも脂肪が少ないので、成人病の予防やダイエットにおすすめの魚です。

 

【ネジラガレイ(カレイ目ウシノシタ科)舌ビラメ】

一般的には「舌ビラメ」といい夏の貴重な魚のひとつです。ムニエルが有名でフランス料理の代表ですが、煮物や塩焼きなどでも食卓に日常的に登場するこの魚は、石川県では「ネジラガレイ」と呼ばれます。名前にはヒラメあるいはカレイとありますが、実はどちらの仲間でもなく、ウシノシタ科に属する魚です。 この魚の旬は6月~8月です。旬をはずすと味がガクンと落ちてしまいますから、この時期を逃さないようにして下さい。石川県では刺網と定置網でとれます。

 

【トビウオ(ダツ目トビウオ科)】

その名の通り、海面から高さ2m位のところを400mも飛ぶトビウオ。日本近海に約20種類が生息しますが、石川県でとれるのはホントトビウオで丸トビ、角トビに分類されます。脂肪が少ないが、タンパク質は青背の魚の中ではトップクラスで、美容にもとても良い魚といえます。身軽な姿から、トビウオを食べると脚気にならず脚力が強くなると言われています。産婦には母乳の出が良くなると言われています。

 

【アマダイ(スズキ目アマダイ科) 】

本州中部以南の南シナ海にかけて分布し、水深30mから150mの下層にいることが多い魚です。日本海でもっとも一般的にとれる「赤アマダイ」を石川県では「アマダイ」と呼びます。四角いおでこが特徴のアマダイは、体色の赤いところから「タイ」の仲間と思われますが、細長で黒い体色の「スズキ」の仲間です。タイに似てウロコが赤く、味わいがほのかに甘いところから「甘ダイ」と呼んだということです。

 

【イカ(較体動物門頭足網) 】

世界的に約500種類もいるイカ。市場によく出回っているのはスルメイカ、アカイカ、ヤリイカ、モンゴイカ、ホタルイカなどがあります。内湾の沿岸に寄り海草や沈んでいる木枝に房状の卵のうを産みつけます。夜間の集魚灯の光に群集する行為でも分かるように、イカの持つ一対の眼は大変高度なものです。カロリー、タンパク質ともに一般の魚に比べ少なめですが、銅が多く含まれ造血に重要な役割をもっています。日本人の摂取量は世界の漁獲量の約半分を占めているほどで、イカ好きとして知られています。

 

【貝 】

世日本海では北陸以南の淡水の流入する浅い砂泥底に生息しています。ハマグリは栗の形に似ていることから「砂栗」の名前で呼ばれるようになりました。バイ貝は石川県ではエッチュウバイ(越中バイ)のことをいいます。日本海の水深200~500mの砂底に生息しています。これらの貝類は鉄分たっぷりでしかも低脂肪なので、美容と健康が気になる女性にとってはとても嬉しい健康食品です。

 

秋の魚

【サバ(スズキ目亜目サバ科) 】

一般的にサバというとマサバとゴマサバの2種類を指しますが、石川県でとれるのは、ほとんどがマサバです。サバは生後2年頃から産卵をするものが約半数、生後3年になるとすべてのサバが産卵します。寿命はおよそ10年と言われています。ビタミンやEPA、タウリンなどが多く含まれており栄養価の高い魚です。
サバには旬が2度あります。最初の旬は5~6月の産卵期、次の旬は9~10月で、石川県では特に「秋サバ」と呼び、よく食べられます。

 

【サンマ(ダツ目サンマ科) 】

サンマは、8月中旬に産卵のために千島海域から南の海へ向かいます。初めは形も小さく痩せていますが、秋に日本列島の東沿岸にたどり着く頃には、脂肪が魚体の80%にもなり形も大きく見事なサンマに成長します。味も最高となります。牛肉に比べカルシウムは約4倍、ビタミン類は総じて12倍で、栄養価値の面でも充実した魚です。

 

【タイ(スズキ目スズキ亜目タイ科) 】

約10種類のタイ科の代表がマダイです。他にチダイ、キダイ、クロダイなどがいます。日本近海のマダイは、岸からあまり遠くない岩礁地帯に生息しています。4月末頃の産卵期のタイは「桜ダイ」といい珍重されます。 産卵直前の体長30cm位、1kg前後のものが最も美味です。しかし産卵後は身が痩せて味が落ちます。

 

【サケ(ニシン目サケ科) 】

サケにはシロザケ、ベニザケ、ギンザケ、マスノスケ(キングサーモン)などがあり、一般的にサケという場合はシロザケを指します。秋に川の上流で卵を産むとオス・メスともにその一生を終えます。卵は約2ヶ月で稚魚となり、春になるとはるか北太平洋の海を目指しての長い旅へと出発します。3~5年後、再び生まれた川に戻ってきます。石川県でも手取川でサケの放流事業が行われ、順調な回帰を示しています。

 

【カマス(スズキ目ボラ亜目カマス科) 】

日本でお目にかかれるカマスには赤カマスと青カマス(ヤマトカマス)がありますが、石川県でとれるのは赤カマスの方で20~30cmのものが普通です。カマスは脂肪が少なく低カロリーの魚で、カマスを食べると母乳の出が良くなるとも言われています。 カマスがいちばん脂がのって美味しい時期は9~10月です。小さいものから大きいものになるほど、美味しさは増すのですが、価格もぐんと高くなります。

 

【甘エビ(十脚目タラバエビ科)】

甘エビはホッコクアカエビが正式名称で、北陸から北の日本海にかけて水深200~500mの深海に生息しています。甘エビは最初オスとして成熟し、ふ化後4年目の春に性転換しメスになるという珍しい生態を持っています。卵を抱いたメスは200~300mの少し浅い場所へ移動し、稚エビを放出します。トロリとした甘味はグリシン、アラニン、セレンなどのアミノ酸類によるものです。またタウリンも多く含まれ、脳卒中、高血圧、心臓病などの成人病予防食として効果があります。

 

冬の魚

【ブリ(スズキ目亜目アジ科)】

「ブリは出世魚で生まれてから成長にしたがって、次々と名前が変わります。地域によってその名前が違いますが、金沢ではコゾクラ、フクラギ、ガンド、ブリといった区別がなされています。関東では天然ブリに対する養殖ブリを称して、ハマチと呼びます。荒れた冬にはブリが大漁にとれることから、日本海で12月に鳴る雷を「ブリおこし」とも言います。暮れになると娘の嫁ぎ先にブリを贈る習慣があり、需要の多い年の瀬には天然のブリには高い値がつきます。ヒラマサはブリとよく間違えられますが違う種類の魚です。

 

【タラ(タラ目タラ科)】

タラといえば普通「マダラ」のことを指します。タラは年間50%ずつ体重が増加することからもわかるように、貧欲なほどの食欲を持つ魚です。寿命も10年以上と、非常に長寿の魚です。マダラとスケトウダラはマダラの方が主に市場に出回り、一般の家庭の食卓に上ります。スケトウダラはカマボコの原料としてスリ身にされます。卵巣はおなじみのタラコ(北陸地方ではモミジコ)として人気があります。石川県では昔から「七尾のタラ」と言われるほど、2月に七尾湾でとれるタラは珍重されてきました。

 

【アンコウ(ダアンコウ目アンコウ科)】

海底に潜み、ほとんど泳ぐことなく頭上にあるトゲ状の触手を動かし、食欲は貧欲で寄ってきた小魚を捕食します、また、七つ道具を持つといわれ、これはトモ(ひれ)、エラ、3月以降は卵でいっぱいのヌノ(卵巣)、ヤナギ(ほほ肉)、皮、キモ(肝臓)、水袋(胃)のことを指します。まず塩ゆでをしてから水にさらして臭みを抜くのがアンコウを美味しく食べるコツです。

 

【カレイ・ヒラメカレイ目カレイ科・カレイ目ヒラメ科】

カレイはカレイ科の海水魚の総称で、日本各地の近海にすむ定着魚です。口細カレイ、イシガレイ、ナメタガレイ、ササガレイ、スガレイなど種類も多く、土地によって呼び名もいろいろあります。ヒラメも近海性の定着魚で、普段は眼のない側を海底の砂につけて潜伏し、小魚やエビを狙って食べます。ヒラメの縁側と呼ばれて好まれるヒレのつけ根は、脂肪がのって肉が引き締まって美味です。泳ぎながら、つねにヒレを波打たせているためです。「左ヒラメの右カレイ」の言葉のように、一般に背を向こう側に置いて見た場合の眼の位置でヒラメ類とカレイ類を区別します。

 

【メギス(サケ目ニギス科) 】

日本海では青森沿岸から対馬周辺までの本州沿岸に広く分布しています。体調は細長く、ほぼ円筒形で、幼魚が70~150mm、成長して親魚になると150~190mmとなり、やや深い海底に分布します。一般には「ニギス」と呼ばれますが、キスの仲間ではありません。石川県内では「メギス」京都では「沖ギス」と呼ばれています。

 

【ズワイガニ(十脚目クモガニ科)】

日本海の冬の味覚を代表する「カニ」と言えば、何といってもズワイガニ。福井県では越前ガニ、山陰では松葉ガニと呼びます。ズワイガニのメスは北陸ではコウバコガニと言われ、関西ではセイコガニと呼ばれています。甲幅は約8cmとズワイガニの半分ほどで小型ですが、甲羅の中のミソや卵や子は独特の風味があり地元ではズワイガニより人気があります。 ズワイガニのオスは11月~2月までがもっとも美味しく、メスは11月~1月までが解禁期間で、底引き網でとれます。

 

石川の漁法について

【まき網】

石川県には、小型(5トン型船)・中型(15トン船)・大中型(100トン型船)の3種類のまき網漁業があります。

小型まき網は石崎漁港を基地として、コノシロを対象としています。2隻の網船が魚探船をかねて日中に魚群を探し、見つかれば、魚群の遊泳方向・潮流・風向を考慮しながら双方の船によって魚群を網で囲い込んで漁をする方法です。

中型まき網は西海・輪島漁港を基地として、イワシ・アジ・サバ・ブリ類を対象として、網船1隻・魚探船1~4隻・灯船2隻・運搬船2隻の計6~10隻が1団となって操業を行うものです。操業は夜間に行い、魚探船がソナーを使って魚群を探索し、水中を照らして魚を集め、浮上させに魚群を包囲します。その後網の広がり具合を確認しながら網を絞り込む漁法です。

大型まき網は輪島・蛸島漁港を基地としてイワシ・アジ・サバ・ブリ類を対象に、網船1隻・灯船1隻・運搬船2隻の計4隻が1船団となります。漁法はほぼ中型まき網と同じですが、レッコテンマと呼ばれる搭載艇があり、この船が網を出して魚群を囲い込む漁法です。

 

【カゴ網】

カゴ漁業は、狙いの魚介類をかごの中に集めて捕獲する漁法で、主にカニやエビを狙います。単独でカゴを使用することもありますが、一般的には幹縄と呼ばれる網に数m~数十m間隔でカゴを枝葉のように取り付け、網の長さは数千mに達します。

カゴ網漁は網目を調節して小魚を逃がしたり、生きたまま魚を獲ることが可能なため活魚として付加価値を高めることができる利点があります。

 

【ごち網】

楕円形の1枚の網とその両端に結ばれた曳網を定めた面積を囲い込むように投入し、その面積を小さくすることで魚を網に追い込む漁法です。

1隻で行う「1隻ごち網」と2隻で行う「2隻ごち網」がある。また網の形状によって楕円形に縫い合わせ袋状にした「無のうごち網」、袋状となる部分をはじめから円柱状に作り、これに袖網をつけた「有のうごち網」があります。「無のうごち網」の使用は7月1日~15日のわずかな期間に限られます。

 

【刺網】

刺網は魚の進路を遮るように網を張って、魚を網目に刺したり絡ませて獲る漁法です。刺網の形は水面近くに網を張る「浮き刺網」、海底近くに網を固定する「底刺網」、網を固定せず、海の流れや風向きにまかせて網を漂流させる「流し刺網」、魚の群れを網で囲い、棒で水面を叩いたり石を投げたりして魚を網に刺す「まき刺網」があります。

 

【底びき網】

石川県の底びき網は「かけ回し漁法」のことを言います。網を沈め菱形に船を走らせ元の位置に戻ったところで網を引き上げます。「かけ回し漁」は四季折々の海産物を獲る花形で、冬のズワイガニ・春先のホタルイカ・春、秋のカレイ類、イカ類、・四季を通じたホッコクエビ、ニギスと石川県民の食卓を賑わすのに事欠きません。ズワイガニの解禁日に港は一層賑わい、季節の風物詩にもなっています。

 

【地びき網】

船から沖合いで魚を取り込むように投入した網を、人の力や機械を使い陸に引き上げる漁法です。イワシ、サバ、アジ、タイ、ブリ、サヨリなど沿岸を回遊する魚が獲れます。昭和30年代には2千トン以上の漁獲量を記録し、沿岸での重要な漁業でしたが沖合いでの漁業の発達と資源の減少により魚が陸岸に寄らなくなり、労働力不足も重なり減少ました。しかし、観光用として活路を見出しているところもあります。

 

【海女】

海で素潜りをする女性漁師を海女と呼びます。石川県では輪島市海士町に約200人の海女がいます。主にアワビ、サザエ、ナマコ、ワカメ、カジメ、エゴ草などが獲れるものです。主に25mまでの岩場を漁場にしています。

 

【延縄】

延縄は長い1本の軸縄に釣り針のついた枝縄を適当な間隔で結びつけたものを海中へ水平方向に伸ばして使用します。海面近くで縄を伸ばす浮延縄と海底近くで縄を伸ばす底延縄があります。石川県近海では、マダイ、アマダイ、マダラ、スケトウダラ、トラフグ、タチウオなどや高級魚のアラやノドグロなどが獲れます。

 

【曳き釣り】

曳き釣りは、疑似餌を曳き回す漁法です。狙いの魚によって疑似餌や水深、曳くスピードを変えていきます。タチウオやアオリイカ、メジ(マグロの子供)などを狙いますが、曳き釣りの醍醐味は、シイラ、ブリ、ハガツオなど思いがけない魚がかかることです。

 

【定置網】

定置網は沿岸の魚の通り道に網を設置し、回遊してくる魚やイカを待ち受けて獲る漁法です。魚の通り道は魚道と呼ばれ、漁師が長い経験から見つけ出しています。網に入った魚は、生きたままなので、活きのいい旬のものが獲れます。