市場や漁港の買参権を取得する居酒屋チェーン店さんが増えてきているという記事を見つけました。それに対抗して居酒屋応援隊が御得意先のお店様に御協力できることはないか考えてみました。

今日は居酒屋チェーンさんが卸売市場で買参権を取得する動きがあるというお話。

フリーペーパーのR25のウェブ版(http://r25.yahoo.co.jp/)でこんな記事を見つけました。

グルメ系サイトで飲み会用の店を探していたら、「当店は市場の買参権を取得して新鮮な魚を仕入れています」とアピールする店が何軒かあった。買参権...あまりなじみのない言葉だけど、一体どんな権利?

「水産物の場合、卸売市場などでセリを通じて魚を仕入れるのは主に仲買人と呼ばれる仲卸業者で、飲食店は仲買人から魚を買っています。このセリに参加できる権利が買参権。取得すると、直接参加できます」(チムニー・高畑勝仁さかな工房部長)

この権利は数十年前からあるが、とくにここ1~2年、居酒屋チェーンが自ら取得に乗り出している。買参権は卸売市場や漁港ごとに設定されていて審査や取得方法もそれぞれ異なるが、築地市場で買参権を取得した大手チェーンは、取得のメリットをこう語る。

「直接セリで仕入れると、仲卸をショートカットした分、コストダウンできる場合があります」(チムニー・高畑氏)

「市場で直接見ることにより、これまで扱っていなかった魚でも良い魚は仕入れられるようになりました。買参権を得たおかげで、仕入れられた商品を傘下店の中の限られたお店で出すことで、チェーン内の店舗の差別化も図れます」(モンテローザ総務部・河辺直さん)

一方、中央卸売市場ではなく新潟や島根、宮城の漁港の買参権を持つ一六堂(「八吉」など)では「漁港で朝水揚げされた魚を、その日の夜お店に並べることが可能です」(一六堂・森健一経営企画室長)という。“のどぐろ”など日本海のブランド魚を安く仕入れられるのも同社ならではだ。

「ブランド魚に限らず、今まで仲買人さんが見向きもしなかったけど食べてみたら美味しい魚と出会えるのも、産地直送ならではの面白みですね」(一六堂・森氏)

そんな魚だって、貴重な海の資源。居酒屋チェーンによる買参権取得の動きは、新たな水産資源の掘り起こしにも一役買いそうだ。
(駒形四郎)

ちなみに同記事によると買参権を取得している主な居酒屋チェーン店は以下の通り。
プレゼンテーション1

さて、そこでこの記事を基にいろいろ考えてみることにしましょう。
あくまでも私・柴田個人の意見ですので、同じプロでも違う意見の方もいらっしゃるということを御理解頂いた上でお読みくださいね。

■ 買参権を取得してセリに参加すると安く仕入れられるのか?
そもそも買参権がないとセリに参加できないのか?
原則から言えば「そのとおり」ですが、実際にはそれなりの取引量があればお取引をしている仲買さんにお願いして買参権を証明する帽子を借りて入場することはできます。

そして、価格についても必ずしも安く買えるとは限らないと思います。
柴田征洋似顔絵←こんな札のついた帽子です。

以前のエントリーでもご説明しましたが(https://izakayaouentai.co.jp/news/312/)、市場流通ではいろいろな力関係や各プレイヤーの諸事情によって価格が決まってくるので、ひょっとしたら仲買さんから買った方が「在庫処分価格」として安く買えるかもしれません。それに仲買さんからしたら今までは「お客様」だったのに、「競合同業者」になるわけですから心象的に快く思う訳もなく、いわゆる「邪魔される」ことだって起きると思います(仲買さん同士はセリ後もお互いに落札した魚を融通しあったりしている。中抜きする業者は当然その輪の中には入れてもらえない。)。

それよりも、安く仕入れたいと思い、そのために早起きする労力を惜しまないという事であれば、毎朝セリ前に市場に出掛けて行って入荷状況やセリを見る方がいいと思います。毎日セリを見ていれば落札価格がいくら位になったのか、はある程度分かるようになりますから、それを基に仲買さんと価格交渉をすることは充分に可能。賢いバイヤーさんはそのセリの状況を見極めて、一番好条件で落札した仲買さんのところから仕入れたりもするそうです(帽子を借りたからといって必ずしもその仲買さんから買うとは限らない)。実際、とある仲買さんは「○○スーパーのバイヤーさんは毎朝セリに顔を出して落札価格を確認しているから、なかなか口銭が取りにくいわぁ~」とぼやいています(笑)。

■ 買参権と新鮮な魚に因果関係はあるのか?
仲買さんと同じ立場で中央市場に入荷した魚を競る訳ですから、論理的には「買参権を使って仕入れたから鮮度が良い」ということにはなりません。むしろ、供給者側には供給者側の事情があっていわゆる「留め置き」と言われる前日入荷の魚(もちろん冷蔵庫や水槽できちんと管理されている)もセリには混じっています。セリ場はお互いにプロ同士が入札する場なので、いちいち「これは留め置きものです」なんて説明があるわけもなく、バイヤーの眼力のみが頼りになります。落札した後で「あの魚、鮮度悪かったよ」なんて文句は言えない世界ですから。もちろん、担当者に目利き力があれば鮮度の良い魚を仕入れることができるでしょうが、それは仲買人なら誰でも持っている能力ですから、必然的に「良いものはそれなりの価格」ということになります。

■ 買参権を持っていてお客様にアピールできる場合って?
では、買参権を持っていても意味がないのか?ということになりますが、上の記事で言えば一六堂さんのように産地をアピールしたものだとやはりお客様には響くように感じます。
例えば同じイチゴケーキでも
「厳選素材」「秘伝の技術」
という抽象的な売り文句よりも

「○○さんが丹念に育てたイチゴを高級レストラン△△で修業したパテシエが作ったイチゴケーキ」
というような具体的な情報のある方が買いたいなぁ~という意欲に駆られますもんね。

この点、一六堂さんのお店では「糸魚川漁港から直送のヒラメです」とか「浜田漁港で今朝当社バイヤーが買い付けたのどぐろです」という風にパートさんも案内が徹底しています。私の知り合いも「美味しい魚が食べたいならちょっと高いけど、都内なら八吉(一六堂さんの主要業態のひとつ)がいい」なんて言い出すようになりました。やっぱり産地を謳うってそれなりに効果があるんですね。

■ 買参権を持っていない居酒屋応援隊®のお客様に御協力できること
もともとオーナーさんやシェフが産地の出身で、漁師さんや漁港から人脈を使って直接仕入れられるお店は上の一六堂さんのように産地直送を謳うことができるのですが、それ以外のお店では高いお金を払って買参権を持つしかないのか?

そんなことはありません!
私共、金沢直送!居酒屋応援隊®を御利用下さいっっ!

弊社も買参権は持っていませんが、独自の仕入ネットワークで買い付けたお魚を鮮魚セットとしてお送りすることもできます。これはもちろん十分に「産地直送」です。その他、北陸の海産物を使った加工品も数々ありますので、これら北陸の産品も独自に仕入れをされているということを来店されるお客様にアピールすることはできると思います。

ただ文字で「北陸の魚直送」と書くだけではインパクトもないでしょうから、お店に張って頂けるような漁港や買付風景の画像を編集したポスターを作ってみました。

北陸直送店内ポスター

こんなのを店内に貼って頂いてはいかがですか?

今月中には印刷完了して商品に同梱させて頂きたいと思っていますので、是非ご活用くださいね。

この記事を書いた人

居酒屋応援隊 店長・柴田征洋

柴田 征洋
(しばた ゆきひろ)

居酒屋応援隊 店長/真洋創商株式会社 代表

京都の大学卒業後、大阪の商社を経て水産専門商社へ。20代から水産業界一筋で輸入・卸売・水産加工・小売と業界のあらゆるポジションを経験しています。2009年に「居酒屋応援隊」を立ち上げ、2012年に真洋創商株式会社を設立。現在は北陸の珍味・干物・魚介類を中心に、全国4,000店舗以上の飲食店様の仕入れをサポートしています。

原料の調達に関しては商社時代の人脈を活かして全国各地の漁協や卸売市場から、貿易商社まで幅広くお付き合いをし、独自の仕入れルートを構築することに成功。海産物の加工については水産加工業に従事していた時の経験とノウハウで、それぞれの加工に適した専門店に製造を依頼しています。商品開発のコンセプトは「どこにでも売っている食材」ではなく「ここでしか売っていない面白い食材」や「置くだけ(メニューに載せるだけ)で売れる食材」を取りそろえる事です。

🎓 資格:調理師免許(石川県)/貿易実務検定B級/TOEIC845点
趣味:野球(県内審判員として活動)/読書/お酒

飲食店・業者様の仕入れ

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