【飲食店向け法律講座】メニュー表示の「優良誤認」とは?「〇〇鯛」を「タイ」と呼んでいいのか徹底解説

昨日のエントリーでツジノミについて書きましたが、
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おいらがツジノミちゃんですぞ!

調査の結果、ツジノミというのは北陸での地方名称で、標準和名は「キツネメバル」であるということが判明いたしました(ただ魚津水族館に聞いただけですけど・・・)。

・・・で、ここからが今日のお題。

キツネメバルはカサゴ目フサカサゴ科メバル属に分類されるのですが、このカサゴ目フサカサゴ科メバル属の仲間にはいわゆる赤メバル(標準和名ウスメバル)やソイ(標準和名クロソイ)なども入っていて、じゃあ、この魚はメバルの仲間と呼んでいいの?それともソイの一種と言えばいいの?という疑問がわいてきます。

石川県庁の担当部署(水産課、農業安全課JAS法係、県民生活課景品表示法係)の方にお聞きしましたが、

原則論としては標準和名を表示してください、とのこと。

つまり、ツジノミの例で言えば

富山産ツジノミ(キツネメバル)

という表記がべスト(地方名称は併記なら大丈夫)ということになります。

でもキツネメバルと言われてもイマイチピンと来ないし、それではお客様にアピールしにくい、と(私が飲食店の仕入担当や店長だったら)思うので、「ザックリとメバルとかソイの一種とかメニューに書いていいの?」というところがはっきりしないので上述部署の担当者さんに確認してみました。

■ 飲食店で適用される法律は?
食品の表示について規定しているのはJAS法になるそうなのですが、この法律には産地や原材料を表記する際のガイドラインが細かく設定されています。ただこれは小売物販店を対象にしているものなので、飲食店には適用されないとのこと。一般消費者が注文するときに「これはどこの何という食べ物?」と直接店員さんに聞くことができるため、表示の義務等はないそうです。

じゃあ、飲食店にはメニュー表記に何の規制もないのか、と言えばそうではなく、「景品表示法」という法律が適用されるそうです。こちらの景品表示法ではどういう規定があるか、と言えば、個別具体的な規定ではなく

消費者に優良誤認を与える表記はしてはいけない

という漠然としたルールになっているそうです。例えば、昨年世間を騒がせた「芝エビ」という名前を使ってブラックタイガーを使っていた、とか、京都府産のブリを天然寒ブリで評価の高い「氷見産天然ぶり」として販売した、というような事例はこの「消費者に優良誤認を与える表記」として問題になるということです。

■ 消費者に優良誤認を与える表記の判断基準
じゃあ、具体的には何を基準にそれを判断するのか、というところを突っ込んだのですが、簡単に言えば

品質(魚で言えば味)や市場相場、生物学的分類から総合的に判断して、本来の価値よりも高価・高品質なものだと消費者に誤った認識を持たせかねない表記であるか、どうか。

ということらしいです。

例えば、イトヨリダイやメダイは「タイ」と名前についていますが、生物学的分類上は
イトヨリダイ → スズキ亜目イトヨリダイ科
メダイ → イボダイ亜目イボダイ科メダイ属
であり、一般消費者がタイという言葉から連想する真鯛(スズキ目スズキ亜目タイ科)とは違うので、タイと表記してはいけないというようなことです。

ちなみに水産庁のホームページに魚介類の名称ガイドラインというものがあるのですが、
サイト
残念ながらツジノミ(キツネメバル)については載っていませんでした。・・・ということは、やはり「優良誤認を与える表記かどうか」ということから考えないといけないんだそうです。

話を本題に戻します。
じゃあ、ツジノミはメバルとかソイと呼んでいいの?という件ですが、「生物学的分類では同じ属に分類される」ので、あとは
・味(品質)がメバルやソイと同等と評価してよいか?
・市場相場がメバルやソイより極端にかけ離れていないか?
という2点を考慮して判断すれば良いと思われます。

ここからは皆様の判断になるのでしょうが、個人的見解としては味もメバルやソイに劣らないほど美味ですし、相場的にもなかなかキロ単価三ケタ台になる魚でもないです。従ってざっくりと表示する中で「めばる」や「ソイ」の仲間です、と表示しても問題ないんじゃないかな~と思うのですが、いかがでしょうか?※お聞きした担当者さんも「それで特に問題ないと思うんですけど。個人的には・・・。」とのことでした。

景品表示法のコンセプトが一言で言えば「消費者が商品購入(オーダー)後『だまされた~』と誤認しないように表示すること」ということのようですので、それで言えばツジノミはメバルでもソイでも問題ないんじゃないかな~と思います。

また皆様のご意見あればお聞かせくださいね。

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この記事を書いた人

居酒屋応援隊 店長・柴田征洋

柴田 征洋
(しばた ゆきひろ)

居酒屋応援隊 店長/真洋創商株式会社 代表

京都の大学卒業後、大阪の商社を経て水産専門商社へ。20代から水産業界一筋で輸入・卸売・水産加工・小売と業界のあらゆるポジションを経験しています。2009年に「居酒屋応援隊」を立ち上げ、2012年に真洋創商株式会社を設立。現在は北陸の珍味・干物・魚介類を中心に、全国4,000店舗以上の飲食店様の仕入れをサポートしています。

原料の調達に関しては商社時代の人脈を活かして全国各地の漁協や卸売市場から、貿易商社まで幅広くお付き合いをし、独自の仕入れルートを構築することに成功。海産物の加工については水産加工業に従事していた時の経験とノウハウで、それぞれの加工に適した専門店に製造を依頼しています。商品開発のコンセプトは「どこにでも売っている食材」ではなく「ここでしか売っていない面白い食材」や「置くだけ(メニューに載せるだけ)で売れる食材」を取りそろえる事です。

🎓 資格:調理師免許(石川県)/貿易実務検定B級/TOEIC845点
趣味:野球(県内審判員として活動)/読書/お酒

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