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皆様本日もお仕事おつかれさまです。いよいよ9月のスタート。例年ですと「年末の忘年会メニューどうしようか?」といったご相談やお問い合わせをたくさん頂く時期なのですが、去年・今年と非常に寂しい状況です。まぁ、仕方ないですけど・・・。
緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置などの影響により飲食業界は相変わらずの苦境に立たされていますが、政府や自治体からの休業/時短営業要請に従うお店が有る一方、要請を無視して深夜まで営業・アルコール提供をするお店も都市部では結構増えてきたとお聞きします。もうさすがに限界!という事業主さんも多いと思いますし、どちらの判断でも責めることはできない状況になってきましたが、さて貴店はどうなさりますか?
先日もとある飲食店経営者の方とそんなお話になりましたので、その時に出たメリットとデメリットを簡単にご紹介してみます。当たり前のことも多いと思いますが、ひとつでも参考になれば嬉しいです。
資金面での検討
まず何よりも大切なのが資金面。休業/営業時間短縮要請によってマイナスにはならないのか、という点の検討は休業/時短営業要請に従うにしても何よりも大切です。
で、要請に従うといくらもらえるか、というところが大切になるのですが、それは自治体によってもバラバラの模様。中小機構という政府機関がまとめてくれているようですのでそちらをどうぞ↓
【休業協力・事業継続に関する支援金(都道府県別)】
https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/kyugyo/index.html
ここでは一例として東京都内の飲食店を想定してみましょう。東京都の場合の協力金支払い基準はこんな感じです↓。
日商10万円(月商200~300万円程度)のお店を想定すると、1日でもらえる協力金は4万円/日。支援金の対象日数が25日間だとすると100万円もらえることになります。この金額で家賃やオーナーさんの報酬などの月額固定費が払えるのであれば金銭的には問題ない(≒休業できる)と計算できます。
協力金で費用が賄える場合
休業であれば上の計算で基本的には大丈夫ですが、時短営業の場合は人件費や食材費(廃棄ロス含む)、光熱費なども掛かってきますので厳密な計算が必要になります。また、ニュースでも支援金の入金遅れがよく報道されていますので、ある程度資金的な余裕があるか、も確認しておいた方が良いでしょう。
協力金で費用が賄えない場合
さてここまで計算をして、もし家賃等の固定費が賄えないようであれば選択肢は2つ。
- 赤字を覚悟して借り入れや今までの資産を食いつぶして乗り切る
- 要請に従わず、通常営業で生き残りをかける
どちらにしてもなかなか厳しい選択ではありますが、どちらかを選ぶことになると思います。
裏ワザとして休業/時短要請に従ったフリをしてコッソリと営業をする、という悪魔のささやきが耳に入るかもしれませんが、バレた時に補助金・助成金関係を全額返金しないといけなくなることを考えると道義的な部分を除外して考えてもリスクが大きいのであまりお勧めはできません。
資金面以外のメリットとデメリットの検討
上の資金面での検討をした結果、
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のどちらかになるのですが、やはり商売なので資金面以外の検討も必要です。
もともと飲食業の成功の秘訣は「いかに集客するか」だったはず。とすれば、集客についてはコロナ期間中はもちろん、アフターコロナのことも考えておく必要があります。
営業した場合
休業/時短要請期間中はそもそも開いているお店が少ないので、比較的集客は楽でお客様もたくさん来られる場合が多いようですね。要請期間中にお店を開けるデメリットとしては、近隣から役所等へのタレコミ(夜遅くまで営業していることに対して)や嫌がらせがある、という点だそうですが、それを差し引いてもやる価値はあるよ、と教えて頂いた店長様もいらっしゃりました。首都圏の方にお聞きすると酒類も提供して深夜まで営業しているお店は夜遅くまでお客様でごった返しているとか。
社長自らがメディアにも多数登場して、飲食店イジメに異議を唱えていた(株)グローバルダイニングさんも可能な限り営業していたそうですが、やはり相当売上が良かったようです。
ウチのお客様は小規模店が多いので営業する派は少数なのですが、お聞きするとやはり集客は総じて良いようです。新規のお客様もドンドン来られるし、そもそもが開いている店を探してまで飲みたいと思っているお客様なので、客単価もかなり高めだとか。いわゆる上客のお客様が多いので、コロナ後もどうやって来て頂けるようにするか、を考えているということです。
休業要請に応じた場合
もともと売上規模の小さなお店にとっては
休業していた方が協力金でプラスになる!
ということも多々あると思います。
なので、休業要請に応じていると仰る店主様もウチの取引先様にもたくさんいらっしゃります。それはそれで現時点ではベストの選択だと思いますが、長期化するようであればコロナ後のことまで考えておいた方が良いと思います。
休業することによるデメリットは
休業することのデメリット |
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といったあたりでしょうか。今は支援金で収支トントンもしくは利益が逆に出ている状態でも、永遠にこの状態が続くわけではないので、通常営業に戻った時に苦労することのないように準備を進めておく必要はありそうですね。
休業した方が得なのに営業しているというオーナーさんも
休業中もいろんな飲食店オーナーさんとお話しさせて頂きましたが、実は支援金をもらってお店を閉めている方が得なのに(場合によっては営業することで赤字になるのに)お店を開けて営業されている(しようとしている)方もチラホラいらっしゃりました。その理由をお聞きしてみると
- 閉めていた方が利益もあるけど、やっぱり料理人は料理を作ってナンボなので赤字でも店を開けている
- 今は閉めている方が楽だけどお客様に忘れられるのが何よりこわいので、お客様がゼロでも開けておきたい
- ウチは支援金で守られているが取引のある業者さんや従業員を守らないといけないという責任感からやっている
- やっぱり飲食業が好きだし、支援金をもらって楽をしているのが道義的に申し訳ない気持ちになる
といったようなものがありました。さすがこの道に惚れ込んで飲食業に携わっている方々だなぁ~、と職人気質な回答に少し感動してしまいました(笑)。やっぱり飲食店最高です!
支援金をもらいながらテスト営業するのも一手?
もともと居酒屋業界は市場が縮小傾向にあり、しかも若者のアルコール離れもあって、いろいろと課題が山積していました。仮にコロナ問題が解決したとしても、営業解禁当初は一時的にお客様もたくさん来られるかもしれませんが、徐々にこれらコロナ前の居酒屋業界の課題に直面することになると予想されます。であれば、支援金がもらえる範囲(時短営業など)で営業をやってみて、いろんなことを試してみるには良い機会かもしれませんね!
例えば、今まで以上にノンアルコール飲料を増やす取り組みをしてみたり、
「クリームソーダ」は救世主か、居酒屋が続々と定番化する理由(ダイヤモンドオンライン)より
今後も少人数客が増えることを想定して「おひとりさま席」をメインにしたレイアウトにしたり、
新しい生活様式への変化。『業界初』一人飲み専門居酒屋が新オープン(PR TIMES)より。
いろいろと新しい取り組みにチャレンジしているお店もあるようです。ランチや夜7時までの酒類提供だと売上にも利益にもつながらないのでどうしてもテンション下がり気味になりますが、こうやってアフターコロナを見据えて新しいことに少しずつチャレンジしてみるのも良いかもしれませんよ~。
【皆様におねがい】
飲食店の皆様が繁盛されてこその居酒屋応援隊。飲食業界が大不況なので実はかなりピンチ・・・。そこで小売用のお店(ネットショップ)を始めましたが大苦戦中です・・・。宜しければ是非ともお知り合いの方やお客様にご紹介くださいm(__)m。
【おさかな料理の柴田屋】https://shibata-ya.net/
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