これで人手不足解決? テレビ電話風の店員さんが注文を取る新しい居酒屋のカタチ

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皆様本日もお仕事おつかれさまです。
居酒屋応援隊の店長・柴田です。

今日は業界を根本から変える可能性を秘めた新技術、「アバター接客」について深掘りしてみたいと思います。
実は、この記事を書くきっかけとなったのは、先日目にした日本経済新聞の記事です。

ワタミは29日、アバター(分身)を使ったリモート接客の実証実験を同日から都内の居酒屋で始めると発表した。オペレーターが自宅などから遠隔操作し、注文を取ったり、おすすめ商品を提案したりする。人手不足が深刻化するなか、多様な働き方の実現や新たな雇用機会の創出を探る。
飲食店向けアバター接客サービスを手がけるアバターダイニングラボ(ADL、東京・品川)と連携し、ミライザカ新橋銀座口ガード下店(東京・港)で実証実験を始める。店頭の大型電子看板やテーブル席に設置したモニターを通じてアバターが接客する。期間は8月29日まで。
アバターはオペレーターの動きと連動しており、音声や身ぶりなどで顧客とコミュニケーションがとれる。店頭で空席状況などを案内するほか、店内では各テーブルで注文を受け、顧客の質問にも答える。オペレーターの採用や教育はADLが担う。
アバターの活用によって居酒屋でもリモート勤務ができるようになるほか、離れた場所にある複数店舗で同時に勤務することも可能になる。障害者や高齢者など従来飲食店勤務が難しかった人材や、隙間時間で働きたい副業人材の活用にもつながる。
アバター接客サービスには会話を同時翻訳する機能も備わっており、インバウンド(訪日外国人)の増加にも対応できるという。

この斬新な取り組みを知り、私は大きな衝撃を受けると同時に、飲食業界の未来に対する大きな可能性を感じました。
ワタミの実験では、オペレーターが自宅などから遠隔操作でアバターを動かし、注文を取ったり商品を提案したりするそうです。これは単なる技術革新ではなく、私たち飲食店経営者が直面している人手不足問題や、多様な働き方の実現、さらには新たな顧客体験の創出など、多くの課題に対する画期的な解決策となる可能性を秘めています。
では、アバター接客が私たちの業界にもたらす変化について、具体的に見ていきましょう。

はじめに:変化の波に乗るか、沈むか

私たち飲食店経営者にとって、日々の経営は戦いの連続です。コロナ禍からの回復、原材料費の高騰、そして最大の悩みである人手不足…。これらの課題に日々直面しながら、どうにか店を回している状況ではないでしょうか。

しかし、ピンチはチャンス。この激動の時代こそ、新しい技術やアイデアを取り入れ、業界の常識を覆す絶好の機会なのです。その突破口となりうるのが、今回ご紹介する「アバター接客」技術です。

困惑しつつも未来を見据える飲食店経営者

アバター接客とは何か

まず、アバター接客について簡単に説明しましょう。これは、遠隔地にいるオペレーターが操作する「アバター(分身)」を通じて接客を行うシステムです。店頭の大型ディスプレイやテーブルに設置されたモニターを介して、このアバターが顧客とコミュニケーションを取ります。

アバター接客
モニターに映し出されたスタッフが注文を承ります。

具体的には以下のようなことが可能になります:

  • 注文の受付
  • メニューや商品の説明、おすすめの提案
  • 顧客からの質問への回答
  • 店内の案内や空席状況の説明

さらに、このシステムには多言語対応機能も搭載されているため、外国人観光客への対応も格段に向上します。

アバター接客がもたらす革命的な変化

劇的な技術革命

では、このアバター接客が私たちの業界にもたらす変化について、具体的に見ていきましょう。

1. 人手不足問題の解決

私たちが日々頭を悩ませている人手不足。アバター接客は、この問題に対する画期的な解決策となる可能性を秘めています。

例えば、子育て中の主婦や介護中の方々など、これまで店舗での勤務が難しかった人材を雇用できるようになります。彼らは自宅からアバターを操作し、接客業務を行うことができるのです。

また、一人のオペレーターが複数の店舗を同時に担当することも可能になります。繁忙期と閑散期が異なる複数の店舗を効率的に運営できるようになるのです。

自宅で接客をするお母さん

2. 新たな顧客体験の創出

アバター接客は、単なる人手不足対策ではありません。これは、全く新しい顧客体験を提供する機会でもあるのです。

想像してみてください。お客様が店に入ると、大画面に映し出された親しみやすいアバターが笑顔で出迎えます。テーブルに着くと、テーブルトップのディスプレイからアバターが現れ、細やかな接客を行います。これは、従来の飲食店とは一線を画す、新鮮で印象的な体験となるでしょう。

アバター
オリジナルの店員さんを表示させる事も可能。

さらに、アバターの見た目やキャラクターを自由にカスタマイズすることで、店舗のコンセプトやブランドイメージに合わせた演出も可能になります。例えば、和食店なら着物姿のアバター、アメリカンダイナーならアメリカンな雰囲気のアバターといった具合に、店の雰囲気作りにも一役買うでしょう。

3. サービス品質の向上と均一化

人間のスタッフの場合、体調や気分によってサービスの質にばらつきが出ることは避けられません。しかし、アバター接客ならば、常に一定のサービス品質を保つことができます。

また、優秀なオペレーターのノウハウをシステムに組み込むことで、全てのアバターが高品質な接客を行うことが可能になります。これにより、チェーン店における接客の均一化も実現できるでしょう。

4. コスト削減と収益性の向上

初期投資は必要ですが、長期的に見ればコスト削減につながる可能性が高いです。人件費の削減はもちろん、採用や研修にかかるコストも大幅に削減できるでしょう。

また、24時間営業や深夜営業も、人件費を気にすることなく実現可能になります。これにより、新たな顧客層の開拓や売上増加が期待できます。

5. データ活用による経営の最適化

アバター接客システムを通じて、顧客の注文傾向や反応などのデータを詳細に収集・分析することができます。これらのデータを活用することで、メニュー開発や価格設定、マーケティング戦略の立案など、より効果的な経営判断が可能になります。



導入に向けての課題と対策

もちろん、新技術の導入には課題もあります。以下、予想される課題とその対策について考えてみましょう。

1. 初期投資のコスト

課題:システムの導入には相応の初期投資が必要となります。

対策:段階的な導入を検討しましょう。例えば、まずは店頭の案内だけをアバター化し、効果を見極めながら徐々に拡大していくといった方法が考えられます。また、複数の飲食店でコンソーシアムを組み、共同で導入するのも一案です。

2. 顧客の受け入れ

課題:特に年配の顧客層が、アバター接客に抵抗を感じる可能性があります。

対策:アバター接客と人間のスタッフを併用し、顧客が選択できるようにすることから始めるのがよいでしょう。また、アバターの操作性を高め、人間らしい自然な対応ができるよう改良を重ねることも重要です。

3. 従業員の不安

課題:既存の従業員が、自分の仕事が奪われると不安を感じる可能性があります。

対策:アバター接客は従業員の負担を軽減し、より付加価値の高い業務に集中できるようにするためのツールであることを説明します。また、従業員にアバター操作のトレーニングを行い、新しいスキルを身につける機会を提供するのも効果的でしょう。

4. 技術的トラブル

課題:システムの不具合や通信障害により、サービスが中断する可能性があります。

対策:バックアップシステムの準備や、トラブル時の対応マニュアルの整備が必要です。また、部分的に人間のスタッフで代替できる体制を整えておくことも重要です。

未来の飲食店経営のあり方

アバター接客の導入は、単に人手不足を解消するだけではありません。これは、私たち飲食店経営者に「飲食店の在り方」そのものを再考する機会を与えてくれるのです。

例えば、接客の一部をアバターが担うことで、人間のスタッフはより付加価値の高いサービスに集中できるようになります。料理の背景にある物語を伝えたり、顧客一人ひとりに合わせたきめ細やかな対応をしたりと、人間にしかできない温かみのあるサービスに注力できるのです。

また、場所の制約がなくなることで、腕利きのシェフやソムリエが複数の店舗を同時にサポートすることも可能になります。これにより、各店舗の料理の質やサービスレベルを飛躍的に向上させることができるでしょう。

さらに、アバター接客システムを通じて収集されたデータを活用することで、個々の顧客の好みや傾向を詳細に分析し、パーソナライズされたサービスを提供することも可能になります。例えば、常連客が来店したときに、その方の好みのメニューや過去の注文履歴をアバターが即座に把握し、最適な提案ができるようになるのです。

データ分析をしているスタッフ達

おわりに:変化を恐れず、未来を創造する

アバター接客は、確かに大きな変化をもたらす技術です。そして、変化は常に不安と隣り合わせです。しかし、この技術が秘めている可能性を考えると、早期に検討し、導入を進めていく価値は十分にあるのではないでしょうか。

私たち飲食店経営者は、常に顧客満足度の向上と経営の効率化という二つの課題と向き合い続けてきました。アバター接客は、この二つの課題に同時にアプローチできる可能性を秘めた画期的な技術なのです。

もちろん、アバター接客ですべてが解決するわけではありません。人間的な温かみ、食事を通じたコミュニケーション、そして「おもてなし」の心。これらの価値は、決してテクノロジーに置き換えられるものではありません。

大切なのは、テクノロジーと人間の強みをうまく融合させ、新たな価値を創造していくことです。アバター接客というテクノロジーを味方につけ、そこに私たち飲食店経営者のノウハウと創意工夫を加えることで、今までにない新しい飲食体験を作り出すことができるのです。

変化は時に不安をもたらしますが、同時に大きなチャンスでもあります。この波に乗り遅れることなく、むしろ先頭に立って業界を牽引していく。そんな気概を持って、アバター接客の可能性に向き合ってみてはいかがでしょうか。

笑顔の飲食店スタッフ達


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おかげさまで飲食店様に海産物を販売させて頂いて10年以上。たくさんの飲食店経営者様や料理長様ともお付き合いやご指導を頂いて参りました。

魚屋ですので食材提供を通じてのご提案や問題解決が中心となりますが、いろんなお店での工夫や情報も入ってきますのでひょっとしたら貴店のお悩みも解決できるかも!

店長の柴田はコンサルタントではないのでご相談はもちろん無料です。どんな些細な事でも結構ですのでお気軽にご相談ください。

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