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北陸地方ではバイ貝が水揚げされます。これをお刺身はもちろん、煮つけなどで食べるととても美味しいのですが、時々聞かれるのが「バイ貝には毒がある」という話。でも地元のお店でも殻付きで煮つけにして提供していますし、そもそも毒があるなら市場に流通させないよ、というお話をお聞きしたこともあります。そんな折、ちょうどお客様から質問を頂きましたのでしっかりと調べてみました。
【目次】
バイ貝の毒とは?
こういう問題は専門家に聞くのが一番。ということで、金沢市保健所にお聞きしてみました。
あの~、よく煮つけなんかで食べるバイ貝なんですが、毒があるって聞いたことがあるんですが、本当ですか?
あ~、それって恐らく貝類のテトラミン食中毒のことだと思いますね。
食物連鎖の影響でマグロの体内に水銀が蓄積することがあるように、貝類の体内にテトラミンという物質が濃縮蓄積し、それがしびれやめまいなどの症状を引き起こすことがあるんです。それをテトラミン食中毒と言うのですが、バイ貝に限ったことではなく、つぶ貝などの他の貝類でも症例がありますよ。
えっ!じゃあ、バイ貝って食べると危ないってことですか?
この辺だとスーパーでもよく売っていますし、ちょうどこの前近所の小料理屋さんのお通しでバイ貝の煮つけを頂きましたが・・・。
このテトラミンの蓄積は海流やその海域のエサに大きく左右されるので、同じバイ貝でも漁獲される地域によって蓄積があったりなかったりします。そのため、魚種というよりは海域で危険性を判断し、危険な海域では該当の貝類を獲らないように漁業者に案内・指導をしています。
えっと、今データベースをチェックしてみたのですが、ここ最近であれば三陸で症例報告があるようですが、日本海側ではないようですね。だからと言ってあくまでも事例報告のデータなので日本海のバイ貝を食べれば100%安全という保証もありませんが・・・。
必要な対処法は?
なるほど。では、念のため刺身よりも加熱して食べたほうが良いということですね。
いえ、残念ながらこのテトラミンは耐熱性があり、煮ても焼いてもダメなんです。ただ、このテトラミンはバイ貝であれば唾液腺という部位に蓄積しますので、身を取り出してその部分を除去すれば大丈夫です。
このテトラミン中毒症については岡山県庁のホームページに詳しく載っていますので調べてみると良いですよ。
ということで教えて頂いたサイトがコチラです。
【バイ貝によるテトラミン食中毒】
(https://www.pref.okayama.jp/page/detail-3341.html)
エゾボラモドキを含むエゾバイ科の貝は、山陰地方や北日本でよく漁獲されますが、唾液腺にテトラミンという毒素を持っており、これを除去せずに食べると、食後30分後くらいで、頭痛、めまい、しびれなどの神経症状を起こすことがあります。ただし、死亡例はありません。
食べるときは必ず唾液腺を取り除くこと!!
エゾボラモドキは、1個分の唾液腺でも中毒量のテトラミンを含む場合があります。
テトラミンは熱に強く、煮ても焼いても分解されないので、これらの貝を購入した場合は、調理の前に必ず唾液腺を取り除くように注意してください。
で、肝心の唾液腺はどうやって取り除けば良いのか、という話ですが、その手順について画像付きで詳しく書いてある記事を見つけましたのでこちらをどうぞ↓
【バイ貝の唾液腺には毒がある!スーパーで買った刺身も要注意です。】
https://coonelnel.net/bai-daekisen/
小粒のバイ貝ならばテトラミン蓄積量が微量なので殻付きで(唾液腺がついたまま)提供しても中毒にならないことが多いようです。だから小料理屋さんなどでお通しで頂くバイ貝は殻付きでも食中毒になりにくいということなのでしょう。お通しで提供する(≒大量に食べさせない)という方法は先人の知恵なのか偶然なのかは判りませんが、理にかなっているようですね。ただお刺身で食べるような大きなものは1個でも中毒量に達する可能性があるそうですので、大きいものを提供するときや大量に食べる可能性がある時は必ず除去した方が良さそうです。
他にも北陸/日本海の魚介類に関する記事があります↓
おかげさまで飲食店様に海産物を販売させて頂いて10年以上。たくさんの飲食店経営者様や料理長様ともお付き合いやご指導を頂いて参りました。 魚屋ですので食材提供を通じてのご提案や問題解決が中心となりますが、いろんなお店での工夫や情報も入ってきますのでひょっとしたら貴店のお悩みも解決できるかも! 店長の柴田はコンサルタントではないのでご相談はもちろん無料です。どんな些細な事でも結構ですのでお気軽にご相談ください。 ↓お電話ならこちらのバナーをクリック↓ 営業時間:平日9-17時
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