この記事は約 8 分で読めます。
こんにちは!今日は、あまり知られていない美味しい地元魚「ツジノミ」についてお話ししましょう。
ツジノミは北陸近海の鮮魚を貴店まで直送する鮮魚直送サービス「きときと鮮魚セット」にもよく入っているお魚なのですが、ネットで調べてもほとんど詳しい記述はありません。
ただ、鮮魚の仕入明細書には「ツジノミ」と書いてあって、魚をお届けしたお客様にも「このツジノミって何?」と聞かれることも多いので、この際調べてみることにしました。
ツジノミってこんなお魚です
個人的には金沢市中央卸売市場では見かけたことがなく(あんまり気に留めないからなのかもしれませんが)、仕入先の方にお聞きしても同じ富山の漁港や卸売市場に注文してもこのツジノミが入ってくることもあまりないようで、時々魚津の市場で見かける程度だとのこと。
聞くとツジノミばかりが何箱も入荷、ということはほとんどないようで、上の画像のようないわゆる「混ざり箱」に1~2尾入っていることが多いです。そんなにドカッと水揚げされるものでもなさそうですね。※魚津の市場については以前レポートを書いていますのでコチラをどうぞ。
専門家に聞いてみました
出荷させて頂いた飲食店の仕入担当者様は、産地から直送されてきた雰囲気を出すためにも、お店のお品書きにもそのまま「富山湾産つじのみ」と書いてくださることが多いみたいなのですが、たま~に「ツジノミってどんな魚って説明すればいいの?」と質問されることもあります。
大サイズのもので30センチくらいです。
そこで、本当はなんと言う名前のお魚なのかを仕入先の魚津漁協さんに聞いてみたのですが、
ツジノミはツジノミや!
という事だそうで(笑)、地元ではツジノミで通じるので標準和名は何と言うかなどの詳しい事はちょっと判らないとのこと。
ただ、近くにある魚津水族館の担当者さんもよく魚津のセリに来られるそうなのでその方なら判るかもしれないよ、と教えて頂きましたので、早速お電話で聞いてみることに。
インターネットで調べても料理屋さんのお品書きやブログでチョロッと出てくるだけなので、調査難航するかもなぁ~と内心思いながら担当の方にお聞きしてみたところ・・・
あの~、漁港や卸売市場なんかで「ツジノミ」という名前で流通しているお魚なんですが…。
あ~、ツジノミですね。
本当の名前(標準和名)は「キツネメバル」って言う魚ですよ。
キツネメバルで魚辞典を調べてみるとありました!
【キツネメバル】・・・で、何の仲間かということをお聞きしますと、「フサカサゴの仲間」と表現すべきだとのこと。ちなみに、柳八目(赤メバル)、ソイも全てこのフサカサゴ科の魚だという事です。じゃあ、メバルの仲間と表現してもいいの?と聞いたところ「種は違うのでそれはダメじゃないかな~」と。 う~ん、ビミョー・・・。 ベストな表現は「キツネメバル」という標準和名そのものが良いようですが、やはり産地直送感も出るので「富山産ツジノミ」とお品書きに書いて、 お客様に聞かれたら
やや深場の岩礁域に生息する。クロソイに似るが体色は茶色みが強く、本種には涙骨(目と上顎の間の骨)に棘がない。主に刺し網で漁獲され、高級食材とされる。
魚津水族館発行 「富山のさかな 高低差4000mの生物たち。」より
あ~、ツジノミですね。
本当の名前(標準和名)は「キツネメバル」って言うんですが、北陸で水揚げされる珍しいお魚です。カサゴみたいなきれいな白身の高級魚ですよ~
どんな味わいなのか?
さて、ツジノミの身質はどんなものでしょうか?表示についてはさておき、どんな魚でどんな身質なのか、ということが一番ご興味のあるところだと思いますので先週、お客様のところに発送した鮮魚セットの一部(お客様にお送りした余り)を会社に取り寄せてみました。 実際に包丁を入れてみると、ほんのりピンクがかった美しい白身が現れます。 包丁を入れて3枚おろし(正確には2枚おろし)にしてみました。 身質もほんのりピンクがかっているきれいな白身です。 今回はお刺身にしてみましたが、淡白で上品な白身魚でした。 きときと鮮魚セットは基本的に全てお刺身でイケる鮮度のものをお届けするので、もしこのツジノミが入っていればお刺身にして頂くのが一番利益も取りやすいとは思いますが、上品な白身魚なので焼いたり煮たりと調理方法も幅広く楽しめます。例えば、焼き方によっては皮がパリッとし、独特の食感が楽しめる一品になりますし、煮付けにすると、身がふんわりと柔らかく、独特の旨みが引き出されます。塩焼や煮付けにして頂いても身がホクホクして美味しいですよ!ツジノミを仕入れて近隣競合店とも差別化しましょう
ツジノミは、なかなか一般的には知られていない珍しい魚ですから、その希少性が飲食店における近隣競合店との差別化につながります。もしご注文頂いた鮮魚セットにこのお魚が入っていたらおススメに大きく表示してみてください。 刺身や煮付け、塩焼きといった様々な料理法で、お客様はその美味しさとともに、珍しさや新鮮さを感じて頂くことができるのではないでしょうか? また、今回ご紹介したツジノミについての説明や、その魚をどのようにして仕入れたのかといった裏話を提供することで、お客様との会話のきっかけにもなり、お店の雰囲気やサービスに一層の深みを与えることができるはずです。ツジノミが気になったなら「きときと鮮魚セット」がおススメです
このツジノミというお魚は加工できるほど大量に水揚げされるわけではないので、今のところは鮮魚として取り扱っているくらいです。 もし「食べてみたいな~」と思われたら、当店居酒屋応援隊の姉妹店で鮮魚出荷専門の「産直鮮魚きときと丸」にてご注文下さいね!富山湾でその日の朝に水揚げされたまだ動いているような超新鮮魚介類を即日出荷でお届けさせて頂いております。※こちらは個人様もご注文頂けます。当店・居酒屋応援隊は飲食店関係者様向けの卸売販売サイトです。個人のお客様は個人様向け小売サイト「おさかな料理の柴田屋」にてお買い物頂けますので是非ご覧ください。
【ご案内】ツジノミ(キツネメバル)以外にも興味深い魚介類に関しての情報をまとめています。お時間あればぜひこちらもご覧くださいね。
おかげさまで飲食店様に海産物を販売させて頂いて10年以上。たくさんの飲食店経営者様や料理長様ともお付き合いやご指導を頂いて参りました。 魚屋ですので食材提供を通じてのご提案や問題解決が中心となりますが、いろんなお店での工夫や情報も入ってきますのでひょっとしたら貴店のお悩みも解決できるかも! 店長の柴田はコンサルタントではないのでご相談はもちろん無料です。どんな些細な事でも結構ですのでお気軽にご相談ください。 ↓お電話ならこちらのバナーをクリック↓ 営業時間:平日9-17時
↓LINEでも大丈夫です(要友だち登録)↓
↓もしくはこのまま問い合わせフォームからでも!↓