【徹底比較】比べてみて判った!富山湾のホタルイカが料理のプロから愛される理由

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【徹底比較】比べてみて判った!富山湾のホタルイカが料理のプロから愛される理由

立春を過ぎると暦の上では春。梅やウグイスなど春の風物詩と言われるものはたくさんありますが、海産物だとホタルイカもそのひとつ。今回はそのメジャーな産地である山陰地方と富山湾のホタルイカの違いを検証してみたいと思います。
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【目次】

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山陰産のホタルイカ

ホタルイカ桜煮

早く出回るのは山陰産

春の風物詩とも言えるホタルイカですが、例年最初に水揚げされて市場に出回るのは山陰産のホタルイカです。その年の気候や漁模様によって異なりますが、だいたい1月末から2月初旬くらいに水揚げが始まっているような気がします。しかも富山湾のホタルイカは2月末まで禁漁ですので、2月にお店で見るホタルイカはほぼ山陰産ということになります。

若干小ぶりだが価格はお手頃

ほたるいかミュージアムの展示パネル
ほたるいかミュージアムの展示パネル

日本海に生息するホタルイカの多くは山陰沖で産卵・孵化して対馬暖流に乗って徐々に北上していくそうです。そのため、孵化して間もない個体も多い山陰沖のホタルイカは小ぶりなものが多いのが特徴。

価格も出始めの頃は物珍しさも手伝って比較的高めで推移しますが、ある程度落ち着くと

  • たくさん獲れること
  • 小ぶりで身が薄いので評価が付きにくいこと
  • 3月に入ると北陸や他の産地でも水揚げがあること

といった理由でお手頃な価格になります。お求めやすい価格になるのは嬉しいですよね!

底引き網漁による水揚げがメイン

底引き網漁のイメージ
ホタルイカと言えば富山県のイメージが強いと思いますが、実は水揚げ量は兵庫県(香住/柴山/津居山など丹後半島周辺にたくさんの漁港がある)が1位だそうです。産卵場に近く個体数が多いということもあるでしょうが、恐らく水揚げ量ナンバーワンの理由はこの漁法。上のイラストのように海底に棲むホタルイカを網ですくいあげて獲ります。

この漁法のメリットは漁獲高が多くなること。

反対にデメリットはたくさんの魚介類をまとめて網で引くため扱いが少し雑になってしまう(他の魚の重みなどで圧死したり傷ついたりしやすい)というところですね。

富山湾産のホタルイカ

富山湾産ほたるいか生食用
天然のいけすとも呼ばれる富山湾は魚介類のエサとなるプランクトンも豊富な上に内海なので波も比較的穏やか。ホタルイカにとっても過ごしやすい環境が整っていますので、しっかりと肥えてふっくらしているのが特徴です。

富山湾産はふっくらと肥えていて大きい

富山湾のふっくら肥えたほたるいか
富山湾のホタルイカはなんといってもしっかりと肥えていてふっくらしているのが特徴。富山湾内はエサも豊富で波が穏やかなため食欲旺盛となっている上に、富山湾内で獲れるのは放卵前のたくさんの卵を抱えたメスがほとんど(※オスは交接後に弱って海底深くに沈んでいくそうです)。これは富山湾のホタルイカは日中海底200メートルくらいのところで過ごし、夜になるとエサを追うのと産卵の為に浮上し陸の近くまで上がってくるからで、定置網漁はこの浮上してくるホタルイカを狙って設置されているためです。

漁獲期には身体も大きくなりしっかりと肥えているので(ホタルイカにしては)身も厚く食感や歯ごたえもしっかりとあり、水産流通関係者や飲食店の料理人などその道のプロ達から高い評価を得ています。

禁漁期間を設け、ホタルイカ用定置網で丁寧に水揚げしている

ほたるいか水揚げ風景
富山湾内では資源保護のためホタルイカ漁に禁漁期間が設定されており、毎年3月1日からホタルイカ漁が始まります。またホタルイカをなるべく鮮度良く丁寧に取り扱うために定置網漁で水揚げしています。そのため、全体的に大きくふっくらしており美味しいのですが底引き網漁に比べて効率も悪くなるため価格は高めになります。

定置網漁のイメージ
定置網漁のイメージ

富山湾の定置網設置位置
目の前に定置網があるのですぐ帰って来れます。

富山県民のホタルイカ愛に支えられている

ほたるいかミュージアム入口
富山県滑川市のほたるいかミュージアムにて

ホタルイカは春先から初夏までに水揚げが限られていることもあってか、他の地域ではホタルイカも「いろんな魚介類のひとつ」という扱いですが、富山湾沿岸には年中ホタルイカの加工をメインでされているホタルイカ専門店などもあります。そして富山県内でも随一の水揚げ地である滑川市にはなんとほたるいかミュージアムという博物館があるほどの気合の入れようで、ホタルイカに対する愛では他の追随を許しません。

両者を比べてみた結果…

ともに冷凍の生食用ホタルイカになりますが、両者を並べてみたところこんな感じになりました↓。
ほたるいか富山産と山陰産の比較

身の厚さや大きさはやはり富山湾のものが立派ですね。
料理人の方にお聞きすると、身が小さく薄いとホタルイカはもともとが小さなものなので加熱するとかなり縮んでしまい貧相に見えるので用途が限られてくるそうです。その点、富山湾産の方が鮮度やキズも少なくきれいですし、何よりも身が厚いので加熱調理してもそれなりに立派な姿で残るので値打ちがあると。

ただし仕入れ値で言えば富山湾のものの方が山陰産のものの約2倍でしたので、用途とコスパを考えて選ぶことが大事。例えば

  • しゃぶしゃぶやお刺身なら富山湾産
  • ホタルイカをしゃぶしゃぶしましょう
    ホタルイカをしゃぶしゃぶしましょう
  • ホタルイカご飯やピザ/パスタの具材なら山陰産
  • ほたるいかごはん
    ほたるいかごはん
  • 釜茹で(ボイル)酢味噌和えは量重視か質重視かで使い分ける
  • ホタルイカ酢味噌和え

といった感じになるのでしょうかね~。
以上、なにかのご参考になれば幸いです。


ホタルイカに興味を持って頂けたなら、是非次の記事もご覧ください(画像をクリック)。


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