【徹底比較】富山湾産 vs 山陰産ホタルイカの違い|プロの使い分けガイド


【徹底比較】富山湾産 vs 山陰産ホタルイカの違い|プロの使い分けガイド

📌 この記事の要点(3行で解説)

  • 富山湾産は「定置網漁」で魚体を傷つけず、身がパンパンで見栄え◎(価格は山陰産の約2倍)
  • 山陰産は「底引き網漁」で漁獲量が多く、価格はお手頃(1月末から出回り、富山より1ヶ月早い)
  • 刺身・しゃぶしゃぶは富山湾産、パスタ・ご飯物は山陰産——用途で使い分けるのがプロの選択

この記事を書いたのは

居酒屋応援隊 店長 柴田

居酒屋応援隊 店長・柴田(しばた)

水産業界歴20年超。富山・石川の漁港から直接仕入れ、飲食店様へ食材をお届けしています。ホタルイカは毎年シーズンになると産地に足を運び、品質を自分の目で確認しています。




🔍 比較早見表|一目でわかる違い

まずは結論から。富山湾産と山陰産の違いを表にまとめました。

比較項目 富山湾産 山陰産
漁期 3月1日〜5月頃 1月末〜5月頃(1ヶ月早い)
漁法 定置網漁(専用網で丁寧に) 底引き網漁(大量に水揚げ)
サイズ 大きい・ふっくら・身が厚い 小ぶり・身が薄い
魚体の状態 傷が少なく綺麗 傷・圧死が混ざることも
加熱後の見栄え 縮みにくく立派に残る 縮んで貧相に見えやすい
価格目安 高い(しゃぶしゃぶ用30尾 2,450円) お手頃(しゃぶしゃぶ用20尾 850円)
おすすめ用途 刺身・しゃぶしゃぶ・単品提供 パスタ・ご飯物・宴会コース

💡 ポイント:「どちらが良い」ではなく「用途で使い分ける」のがプロの選択。お客様の目の前に出すメニューは富山湾産、混ぜ込む料理は山陰産——このバランスがコストと品質を両立させます。




🦑 山陰産ホタルイカの特徴

ホタルイカ桜煮

早く出回るのは山陰産|2月のホタルイカはほぼ山陰産

春の風物詩・ホタルイカですが、最初に市場に出回るのは山陰産です。例年1月末〜2月初旬に水揚げが始まります。

一方、富山湾は資源保護のため2月末まで禁漁。つまり、2月にお店で見るホタルイカはほぼ100%山陰産ということになります。「春先にいち早くホタルイカをメニューに載せたい」という場合は、山陰産が選択肢になります。

小ぶりだが価格はお手頃|コスパ重視ならこちら

ほたるいかミュージアムの展示パネル
ほたるいかミュージアムの展示パネル|ホタルイカの回遊ルートがわかる

日本海のホタルイカは山陰沖で産卵・孵化し、対馬暖流に乗って北上します。そのため、山陰沖では孵化して間もない若い個体が多く、小ぶりなのが特徴です。

価格は出始め(1〜2月)こそ高めですが、漁獲量が増える3月以降は富山湾産の約半額まで下がります。

山陰産が安い理由

  • 漁獲量が多い(水揚げ量は兵庫県が全国1位)
  • 小ぶりで身が薄いため、市場評価が付きにくい
  • 3月以降は富山湾産など他産地も出回り、競争が激化

底引き網漁で大量に水揚げ|ただし魚体へのダメージあり

底引き網漁のイメージ

山陰のホタルイカ漁は底引き網漁が主流です。海底を網で引きずり、一度に大量のホタルイカを水揚げします。

メリット:漁獲量が多く、価格が安定する

デメリット:他の魚介類と一緒に網で引くため、圧迫されて傷ついたり、死んでしまう個体が混ざりやすい。見た目にバラつきが出る。




🦑 富山湾産ホタルイカの特徴

富山湾産ほたるいか生食用

「天然のいけす」と呼ばれる富山湾。プランクトンが豊富で波も穏やかなため、ホタルイカがしっかりと肥えてふっくらしているのが最大の特徴です。

身がパンパン|99%がメス、産卵前の成熟した個体

富山湾のふっくら肥えたほたるいか

富山湾で獲れるホタルイカの99%がメス。産卵のために接岸してくる成熟した個体だけを狙うため、卵を抱えて身がパンパンに詰まっています。

ホタルイカは日中、海底200mあたりで過ごし、夜になると産卵のために浅瀬に上がってきます。富山湾の定置網は、この浮上してくるホタルイカを狙って設置されています。

💡 オスはどこへ?ホタルイカのオスは交接後に力尽きて深海に沈んでしまいます。そのため、産卵のために浅瀬に上がってくるのはメスだけ。これが「富山湾産は99%メス」の理由です。

定置網漁で丁寧に水揚げ|傷が少なく見た目が綺麗

ほたるいか水揚げ風景

富山湾ではホタルイカ専用の定置網で水揚げします。底引き網と違い、ホタルイカだけを狙うため他の魚介類と混ざらず、魚体へのダメージが少ないのが特徴です。

定置網漁のイメージ
定置網漁のイメージ|網の中で待ち受ける方式

メリット:傷が少なく、身崩れしていない綺麗な状態で水揚げできる

デメリット:底引き網に比べて効率が悪く、漁獲量が少ないため価格は高め

漁港の目の前に定置網|朝獲れ即加工で鮮度抜群

富山湾の定置網設置位置
陸から見える位置に定置網がある|網を揚げてすぐ港に戻れる

富山湾は陸から急激に深くなる地形のため、漁港の目の前に定置網を設置できます。網を揚げてから港に戻るまでがスピーディーなので、朝獲れのホタルイカをその日のうちに茹でることが可能。ボイル製品(桜煮)の鮮度も抜群です。

禁漁期間を設けて資源保護|3月1日解禁

富山湾では資源保護のため、毎年3月1日にホタルイカ漁が解禁されます。この禁漁期間があるからこそ、シーズン中は大きく成熟したホタルイカが安定して獲れるのです。

富山県民のホタルイカ愛|専門ミュージアムまである

ほたるいかミュージアム入口
富山県滑川市の「ほたるいかミュージアム」

他の地域ではホタルイカは「いろんな魚介類のひとつ」という扱いですが、富山では別格。滑川市には「ほたるいかミュージアム」という専門博物館があるほどです。年中ホタルイカの加工をメインにする専門店も多く、品質へのこだわりは他の産地の追随を許しません。




📸 実物比較|並べてみた結果

実際に富山湾産と山陰産のホタルイカ(ともに冷凍・生食用)を並べて比較してみました。

ほたるいか富山産と山陰産の比較

一目瞭然ですね。左の富山湾産は身が大きくふっくら、右の山陰産は小ぶりで身が薄いのがわかります。

料理人の声|「加熱後の見栄え」が決め手

実際に飲食店の料理人に聞いたところ、こんな意見がありました。

「ホタルイカはもともと小さいから、身が薄いと加熱するとかなり縮んで貧相に見える。用途が限られてくるんですよね。

その点、富山湾産は身が厚いから火を通してもしっかり存在感が残る。お客様に出すなら、やっぱり見た目も大事。値段は高いけど、値打ちがありますよ」




🎯 用途別・使い分けガイド

「全部富山湾産にすべき?」——答えはNoです。用途に合わせて使い分けるのが、コストと品質を両立するプロの選択です。

用途 推奨産地 理由
刺身・しゃぶしゃぶ 富山湾産 お客様の目の前に出すメニュー。身が厚く、見栄えが重要
ボイル酢味噌和え(質重視) 富山湾産 単品メニューとして提供する場合。ふっくら感が違う
ホタルイカご飯 山陰産 混ぜ込むので小ぶりでOK。コスパ重視
パスタ・ピザ 山陰産 他の具材と合わせるため、主役感は不要
ボイル酢味噌和え(量重視) 山陰産 宴会コースなど数量が必要な場合

用途別イメージ

刺身・しゃぶしゃぶなら富山湾産

ホタルイカのしゃぶしゃぶ
ホタルイカのしゃぶしゃぶ|身が厚い富山湾産だからこそ映える

ホタルイカご飯・パスタなら山陰産

ほたるいかごはん
ホタルイカご飯|混ぜ込むので小ぶりな山陰産でOK

ボイル酢味噌和えは用途次第

ホタルイカ酢味噌和え

💰 コストシミュレーション:富山湾産しゃぶしゃぶ用(30尾2,450円)を刺身として5尾提供する場合、原価は約408円。売価980〜1,280円で原価率32〜42%。山陰産(20尾850円)なら原価約213円で、売価680〜780円でも原価率27〜31%。用途に合わせて選べば、どちらも十分な利益が出せます。




⚠️ 生食で提供する場合の注意

⚠️ 産地に関係なく、生食には寄生虫リスクがあります

ホタルイカの内臓には「旋尾線虫(せんびせんちゅう)」という寄生虫が潜んでいる可能性があります。これは富山湾産・山陰産に関係なく存在し、鮮度が良くても目視での除去は不可能です。

生食(刺身・しゃぶしゃぶ)で提供する場合は、厚生労働省基準を満たした凍結処理済み商品を仕入れてください。

処理方法 条件
凍結処理 −30℃で4日間以上(または−35℃で15時間以上)
加熱処理 沸騰水投入後30秒以上、または中心温度60℃以上

✅ 当店の生食用商品は凍結処理済み:居酒屋応援隊で取り扱う「しゃぶしゃぶ用ホタルイカ」は、富山湾産・山陰産ともに−30℃以下での凍結処理済みです。安心してご使用いただけます。

生食リスクの詳細記事を読む →




🛒 商品ラインナップ

居酒屋応援隊では、富山湾産・山陰産の両方を取り扱っています。用途に合わせてお選びください。

商品名 産地 規格 価格(税別) おすすめ用途
ほたるいかしゃぶしゃぶ用 富山湾産 30尾(目・背骨取り) 2,450円 刺身・しゃぶしゃぶ
ホタルイカしゃぶしゃぶ用 山陰産 20尾入り 850円 パスタ・ご飯物・コース

※価格は2026年1月時点。漁獲状況により変動する場合があります。

ホタルイカ特集ページで全商品を見る →




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🦑 ホタルイカ特集|商品ラインナップと活用術 商品一覧・メリット・豆知識まとめ
⚠️ 生食リスクと安全な提供方法 旋尾線虫・厚労省基準・損害リスク
📅 旬のおさかなカレンダー ホタルイカ以外の旬食材も網羅



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